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雪の日に思い出す短歌 「ゆひら」とさわぐ雪のことかよ 穂村弘他

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雪の日、家ごもりをしていてふと思い出す。

体温計くわえて窓に額つけ「ゆひら」とさわぐ雪のことかよ---穂村弘「シンジケート」
目覚めたら息まっしろで、これはもう、ほんかくてきよ、ほんかくてき「手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)」

いちばんに思い出すのは穂村弘さんの歌です。

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二首目は、雪とはどこにも書いていないけれども、雪のことだとすぐわかりますね。
なぜだろう。あるいは皆が一度は「ほんかくてき」と思ったことが多いのでしょうか。

君かへす朝の舗石さくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ
---北原白秋『桐の花』

よく知られる北原白秋の名作です。夜を共に過ごした恋人との朝に別れる場面。
しっとりとして美しい歌です。

母の住む国から降ってくる雪のような淋しさ 東京にいる
---俵万智『サラダ記念日』



この歌は構成がちょっとおもしろくはないでしょうか。
雪が降っているのは作者が一人居る東京なのだけれども、その雪にふるさとを思い出していて、さびしくなるのですね。

雪であることをわすれているようなゆきだるまからもらうてぶくろ 
さようならが機能をしなくなりました あなたが雪であったばかりに
---笹井宏之『歌集 てんとろり』



好きな歌人。若くして世を去られてしまいました。雪のように。ほんとうに。

生と死を量る二つの手のひらに同じ白さで雪は降りくる
---中畑智江『同じ白さで雪は降りくる』



歌集タイトルの歌。

ああ雪がふっていますね 来る明日は品切れですと神さまがいう
---杉﨑恒夫『パン屋のパンセ』



90歳で亡くなった作者は、かろやかに死を見つめた歌をも詠んでいます。
雪と命を重ねているようにも読めますね。

降りながらみづから亡ぶ雪のなか祖父(おほちち)の瞠(み)し神をわが見ず
---寺山修司『田園に死す』




寺山は青森出身。家人の描く家族には虚構も多いのですが、神が見えるかのような雪の量感は身をもって知るところなのでしょう。

今回はめずらしく現代とそれに近い短歌を集めてみました。

また次の雪の日には違う歌を思い出すでしょうか。

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