朝日歌壇

朝日歌壇より6月10日号 動物の短歌 西城秀樹追悼 アメフト時事詠

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こんにちは。まる @marutankaです。
ブログがリニューアルにつき、まだところどころ表示が落ち着きませんが、順次修正いたしておりますので、少しお待ちくださいね。

朝日新聞の朝日歌壇から好きな歌を筆写して感想を書いています。
朝日歌壇は朝刊日曜日に掲載。当記事は、6月10日の掲載分です。

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朝日歌壇とは

朝日歌壇についての説明です。
「朝日歌壇」とは朝日新聞朝刊の短歌投稿欄です。俳句は「朝日俳壇」です。
新聞の短歌投稿欄は、どの新聞においても、誰でも自由に投稿できます。

投稿方法の詳しいことは別記事
「朝日歌壇」とは何か?朝日歌壇の紹介と他の新聞の短歌投稿方法と応募の宛先住所」
をご覧ください。

馬場あき子選

動物を詠んだ短歌が多かった。

ミコアイサしつこくしつこく雌を追うハラスメントなど湖上にはなく  澤正宏

ミコアイサは白黒のパンダのような模様の鴨の一首。「しつこくしつこく」のあとに「ハラスメント」が続く。動物の世界ではそれが正攻法。

 

佐々木幸綱選

海霧が霽(は)れて闇濃き草むらに小さき光初ホタル飛ぶ  島田章平

蛍は闇にしか光らない。海霧が晴れて現れる今年初めての蛍の光。

 

矢車草咲く川沿いをどこまでも買い物難民自転車で行く 須原りえ

買い物難民はいっそうの社会問題となるだろう。自転車で行けるうちはどこまでも行く。それも老化予防にはよいかもしれないと思って頑張ってほしい。

 

立飲みの中年客の足元の鞄(かばん)の上の薔薇(ばら)の花束  渡邉隆

映画のワンシーン、あるいはレトロな写真のようなピクチャレスクな一首。庶民的な立ち飲み屋、中年客の足元には場にそぐわない意外な薔薇の花束、そのコントラストが歌の主題。
語順が視線となり、それが最も下がったところに花がある。次第に格数の多くなる鞄、そして花の名前にも重厚感がある。

 

てはじめに仮設賽銭(さいせん)箱を置き社(やしろ)の修復工事はじまる  篠原克彦

最初に賽銭箱とくるところに可笑しみがある。しかも仮設である。賽銭箱は参拝客にとっても大切なものということではないか。共選。

 

鳥のごと青葉若葉の森に入りゆつくり歩む夫とふたりで  三井せつ子

童話のような夫婦の風景。「青い鳥」を思い出したが、このお二人は探すまでもなくお幸せであろう。

 

止めどなく秀樹の曲で盛り上がるオヤジ四人のカラオケ大会  菊田顕

西城秀樹さんの追悼歌。秀樹を愛する人が、おやじ世代になってしまったかとも思うが、高齢化社会でこの年齢で亡くなるのは早過ぎる。その死を惜しむ気持ちが「止めどなく」にあふれている。

 

高野公彦選

鯉のぼりあまた泳がせ通学船(スクールシップ)瀬戸内海の島々めぐる  畠山時子

スクールバスというのは知っているが、船もあると初めて知った。それに5月の頃は、鯉のぼりが飾られて海の上に泳ぐという。瀬戸内の春の風物詩なのだろう。

 

かかりたる無言電話に父さんが倒れたのではと子が離れに来  岡田独甫

離れに一人住んでいる父を案じる子ども。ふとしたきっかけで、気にかけてくれていることを知る作者。「われを」ではなくて「父さんが」と子どもからの呼称を用いて、主観はなく出来事のみを詠んでいる。難しい状況を簡潔に表している。

何もかも思いどおりにならなくて三十一文字の中でだけ自由  上田結香

歌が思い通りになるとは羨ましいが、そうなるには現実が満たされていない方がいい。歌の中にあるものは、現実にあるものよりも数倍心を引くものでなくてはいけない。少なくても歌を詠む人は現実よりも歌の方が美しいと思う。そうでなければ詩歌に関心など持たないだろう。

 

椋鳥(むくどり)の囀(さえず)り日ごと高くなり戸袋からの巣立ち間近(まぢか)か  村上ちえ子

4句目で戸袋に巣があったのだとわかる。日に日に高まる鳴き声に巣立ちの日をはかり、別れを惜しむ。動物を詠んだ歌は今号も多かったが、この歌がいい。まるで自分が飼っていた鳥であるかのように親近感があるのだろう。

 

永田和宏選

全員が予想紙片手に用をたす場外馬券売場のトイレ  高島静男

競馬場の風俗を詠んだ作品。雰囲気が想像できる。

 

棕櫚(しゅろ)縄の結び目深き止め石の法然院に降るほそき雨  冨田昌代

止め石とは、通行止めを示すための縄でくくられた石。写真を見ると通路や飛び石の上などに置かれる。「結び目深き」、結句の「ほそき雨」がいい。
この歌は、縄の結び目にまず視点を合わせ、それから縄の下の石、法然院、寺院を包む雨と視点を広げていく。正岡子規は時間経過を含む歌に注目したことがあるが、視点の拡大や縮小、視線の移動にも同じような効果がある。上の佐々木選の「立飲みの中年客の」とも比較されたい。

 

若き日に兵で覚えし運針が妻逝きしいまありがたきかな  鈴木七郎

作者の人生をうかがい知ることができる一首で、しみじみと良い歌。従軍のご苦労はあったと思うが、作者は妻を亡くしたことに並べて感謝を感じる。
幸せは常に人の心と共にある。その心根を見習いたいとつくづく思う。

 

アメフトに少し詳しくなりましたクオーターバックをQBと書く 伊東澄子
指導者の指示はあったかなかったか政治の話いやアメフトの話 矢島収

悪質タックル問題。これでアメフトの人気が上がったとも思えないが。シェアハウスのスルガ銀行の不正な融資も同じことで、誰がどう関わったのかの解明が待たれる。

 

まとめ

ほぼ毎回のように見当たりますが、新聞歌壇は体言止めの歌が多いように思います。そして、一首に体言止めの句切れ、さらに、結句が体言止めという歌がある。結社誌ではまず見かけないのですが、新聞歌壇の一種の特色なのでしょうか。

 

 

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