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「藤原正彦の人生案内」

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新聞の人生相談のコーナーの藤原正彦氏の回答集をまとめた本が出版されたという。紙上でも見てきたが、改めて読んでみたくなった。

「性格が暗くて嫌われている」という中学生に、藤原氏は答える。

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 「明るくて協調性の高い子がよい子などというのはつまらぬことです。文明、文化を作り上げてきた独創的人間の多くは、暗くて協調性のない人だったのです」

 前書きではこう述べられているという。

 「ほとんどの相談者が、常識や固定観念にしばられて悩んでいて、それを指摘するのに私の無常識が役立ったのかもしれない」
 
 このような助言は、相談者、被相談者がまったくの初対面であると伝わりにくいときもままあるとは思うが、私の場合は藤原氏が幼児のときより「知って」いる。もちろん面識があるわけではない。

両親は新田次郎と藤原てい

 父君は作家の新田次郎、お母さまは藤原ていさん、ていさんの著書「流れる星は生きている」は満州からの引き揚げの体験を綴ったものである。

お兄さんが五歳、正彦氏二歳、その下の女の子は背に負ぶわれている乳児だった。いずれも着替えを持つどころか食物不足の栄養失調の状態で、交通手段のない満州の川を渡り山を越え、お母さまは子供を叱咤激励し時には五歳と二歳の尻をはたきながら、靴さえ泥に取られてなくし文字通り血のにじむ足裏で歩きに歩いての生還だった。

多くの人が命を落としたし、幼児の犠牲は大きく残留孤児となった方もいる。お母さまがその三人のお子を満州からひとりも死なせずに連れ帰ったというのは、本当にたいへんなことであった。

藤原氏の言う「無常識」とは

 藤原氏の「無常識」というのは「非常識」とは違う。「明るい協調性のある良い子」という「常識」に、逆に人は苦しんだりもする。そのようなときはその「常識」に自分を合わせることはない。

 多くの場合の「常識」というのは、その人自身が「こうあらねばならない」と思い込んでいるところにあるのだろう。変えるべきは、その人自身ではなく、その「あらねばならない」の考え方の方なのである。
 
 ということを本の案内記事にて様々考えた。やはりどちらも読み直してみたい本だと思う。







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