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朝日歌壇より2018年3月12日 平昌オリンピックの短歌

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今週の朝日歌壇はオリンピックの歌がたくさんあって、少し懐かしい思いで読みました。

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永田和宏選
羽生選手のスケート関連の歌が2首見られた。

重きもの持つため男ありと言い夫の居た日々風除けとも言い  山西喜子
夫が亡くなってからそれがどう変わったということは言っていないにもかかわらず、十分に想像できる。本当に風除けだと思った人は、歌には詠むまい。

ではまたの「また」を呑み込み縄のれん右と左に老人踏み出す 久野茂樹

店を出でがけにいう挨拶は、半分は暖簾の向う側。それを「呑み込み」と表す。そして右左に別れていく老い人たち。
中指と薬指との間から四回転の羽生をみる女(ひと) 上門善和
とても見ておられないので、目を覆ってしまうが、いや大丈夫なはずだと緩める指の間に選手が飛ぶ。見る人の仕草に技の難しさと危うさがわかる。金メダルで良かった。
馬場あき子選
この選者の歌に今日も好きなものが多い。

春が来て街の時計屋ひつそりと閉店セールの幟(のぼり)しまひぬ 関沢由紀子

春の訪れに反して閉まる店もある。今ではどこの街にも見られる光景になってしまった。
在日の友たちがいてほくがいて平昌五輪祝う輪にいる  森本忠紀
こういううたは素直にいいなあと思う。こういう「輪」のためにオリンピックはあるのではなかったか。
雪の日はバンホーテンをかたわらにアフリカ航路を父は語りぬ 松本敦子
「バンホーテン」はココア、正確にはメーカーだが、原料のカカオはアフリカともつながりがある。褐色の飲み物に思い出される記憶が父上にはある。
出エジプト、モーゼ導く雪海原割りて進める除雪車の後  北條祐史
除雪車も除雪車の通った後も見たことはないのだが、こんな感じなのだろうか。聖書の出エジプト記で、モーゼが祈ると海が二つに割れる場面。おもしろく読める。
佐々木幸綱選
春いまだ整わぬ野へ流れ出て白く濁れる紙漉きの水  山崎波浪

「春いまだ整わぬ」の表現が良い。「春」で始めるのが良い。整わなくても春が感じられる。紙すきの水には濁りがあると知ったが、最初のその濁りがなくなるまで続けるのだろう。
雪崩にて逝きにし友を野にやけばけむりとなりて山登りゆく  大竹博

住所の欄が「アメリカ」なので海外での登山か。けむりになって好きな山に還る山仲間。
万葉集の時代には、煙は亡くなった人の魂だと思われていた。
高野公彦選
鬼だけどパパだからねと四歳が二歳にそっと豆を渡しつ  黒田佑花
詠まれたのはお母さんだろうか。「四歳が二歳に」が微笑ましい。こういう歌は写真以上にたくさん残しておきたい、子供が育ってしまう前に。
諍(いさか)いてすれ違う日のベランダに妻と我とのふとんが並ぶ  大川哲雄

好きな歌。心がすれ違う日も並べる布団。この「ふとん」は平仮名で、ふくふくと柔らかそうだ。しかも「妻」が先という配慮もある。ほっとする。
メタボへの効き目は知らね生味噌を添へればうまし冬の野蒜(のびる)は 巻桔梗

ノビルはエシャロットに似た味のする野草。何となく滋養強壮によさそうな印象もあるが、何よりも読む方にとっても素直に旨そうだ。
小型核開発目指す米国に遠き故郷長崎想ふ 石井千代子

遠い外国、そして遠いふるさと。「想う」以上は、抗議も何も言っていない。ただ長く続く悲しみを伝える。
オリンピックが終わってしまって残念。今はパラリンピック、そして、オリンピックのように胸を高鳴らせるものを引き続き見つけたい。

書も素晴らしい。
右は岡井隆との共著。



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