朝日歌壇

朝日歌壇5月20日号 北朝鮮と韓国南北首脳会談の短歌

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こんにちは。まるです。
朝日新聞の朝日歌壇から好きな歌を筆写して感想を書いています。
朝日歌壇は朝刊日曜日に掲載。当記事は、5月20日の掲載分です。

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朝日歌壇とは

朝日歌壇についての説明です。
「朝日歌壇」とは朝日新聞朝刊の短歌投稿欄です。俳句は「朝日俳壇」です。
新聞の短歌投稿欄は、どの新聞においても、誰でも自由に投稿できます。
投稿方法の詳しいことは別記事「朝日歌壇」とは何か?朝日歌壇の紹介と他の新聞の短歌投稿方法と応募の宛先住所」をご覧ください。

佐佐木幸綱選

 

通訳を必要とせぬそのことがむしろかなしき首脳会談  水野一也

南北首脳会談。同じ言葉を母国語とするもの同士の不和は、たとえば兄弟の不和にも似ていて、異なる母国語を持つ民族同士よりも、悲しみが深いだろう。共選。
 
今号は他にも「50センチのコンクリブロックがそれなのか二人が跨ぐ軍事境界線 犬飼亮介」「平壌にもどる金氏の黒塗りの車を囲みSP走る  田原モト子」など、会談の様子を詠んだ歌が印象に残る。
 

山吹は変わらず咲けど鯉のぼり泳がぬ村となりて久しき  林増穂

以前なら、5月が近づくと、鯉のぼりが至る所で空を泳いでいる光景が見られた。当たり前にも思っていたが、鯉のぼりを立てるのは、子どものいる家であり、今はその子供たちは育って故郷を離れてしまうのだろう。共選。
 
 

高野公彦選

 

熱帯雨林にゐる筈のない白馬ゐるルソーの絵画に会ひに上野へ  山本たまゐ

 
おもしろいことに気がつく方がいるものだと感心してしまう。シャガールの絵なら、飛べるはずのない人が空を飛ぶ。「プーシキン美術館展」なら7月8日まで。
 

フクシマの常磐道の新緑の中をポルシェが疾走してゆく 守岡和之

先日、常磐道を走ったばかり。「疾走」の言葉に風景が目に浮かぶようだ。

熱湯で緑にかわるカメレオン潮の香りのわかめのサラダ  こやまはつみ

ワカメは食べる直前に湯通しすると、鮮やかな緑色に変わる。「カメレオン」が眼目だろう。
 

食細り大好物の穴子重穴子みな食い飯だけ残す  岡田独甫

斎藤茂吉の「ひと老いて何のいのりぞ鰻すらあぶら濃過ぐと言はむとぞする」を思い出す。私は元々鰻重が出ても、若い頃から半分しか食べられない。それでもおいしく頂ける。
 
 

永田和宏選

 

前に山思ひ思ひに山桜白山桜紅山桜 内野修

視覚的にも桜が三つ並んでいる。見たものをそのまま言葉に置き換えたピクチャレスクな歌。自分でも読んでみたくはなるが、こういう歌は二番煎じはできない。

こんな夜もたまにはいいか一匙(ひとさじ)の砂糖を入れる熱い珈琲  西塚洋子

このようなことも歌になるのだと脱帽。上句の肉声をそのまま歌にした上句がいい。

〈こいのもり〉言ってた二歳が三人の家族写真にママとして居る  久野茂樹

とても好きな歌。「子どもの日」にちなんで作者が思い起こす自分だけの追想に独自性がある。娘本人も思い出さないことを知っているのは親だけだ。家族の長い長い時間が一首に凝縮されている。
 

馬場あき子選

 

野良猫も狸も蛇も逃げ出して解体すすむ初夏の山寺  齋藤紀子

田舎の寺というのは、なぜか野生の動物がたくさん集まるところというイメージがあるようだ。古くは人の集う場所でもあったためだろうか。その山寺も取り壊されて、狸も山に返って行くのだろう。
 

春雨に修道院はこんもりと小さき森の緑をゆらす  金田美羽

こちらは寺でなく修道院。風景が詠まれているだけなのだが、静かな森の中の修道院が思い浮かぶ。
 
 
 

まとめ

今週もすてきな歌がたくさんでした。南北首脳会談を詠んだ歌は、あとになって、自身の記念になりそうですね。時事詠や社会詠が詠めるのは、社会に生きている人として素晴らしいことです。
 
 

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