朝日歌壇

朝日歌壇2018年5月6日より 「朝日歌壇」とは朝日新聞の短歌投稿欄

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こんにちは。まるです。
朝日新聞の朝日歌壇から好きな歌を筆写して感想を書いています。
朝日歌壇は日曜日に掲載。昨日5月6日の掲載分です。

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朝日歌壇とは

朝日歌壇についての説明です。
「朝日歌壇」とは朝日新聞朝刊の短歌投稿欄です。俳句は「朝日俳壇」です。
新聞の短歌投稿欄は、どの新聞においても、誰でも自由に投稿できます。
投稿方法の詳しいことは別記事「「朝日歌壇」とは何か?朝日歌壇の紹介と他の新聞の短歌投稿方法と応募の宛先住所」をご覧ください。

永田和宏選

太陽光発電パネル光りつつ菜の花畑減るを淋しむ(鹿嶋市)加津牟根夫

短歌にもよく詠まれているところを見ると、太陽光パネルは全国にあるようでその分、野原も野の草花も減っているということにやっと気がついた。

もう落ちる他なき滝に来た水と同じ思いで乗る手術台(東京都)橋本栄子

私も手術を受けた経験があって、ドキドキするものなのだが、なかなかうまく言い表しにくい。上句がユーモラスでもある。滝に気持ちがあるとしたら、そういうものか。

馬場あき子選

電車内の少女のうたた寝はるじおん莟(つぼみ)はみんな俯(うつむ)いている(松阪市)こやまはつみ

独創的ですてきな作品。人を花にたとえるのはよく見かけるが、地味な花である「はるじおん」の蕾を選んだところがよい。作者は野原の花もよく見ているのだろう。

世界中で暗殺毒殺虐殺があつてシェイクスピアは眠れず(川越市)小野長辰

共選。4句5句は句またがりがある。これも独創的な歌。題材にしようと考えたら大忙しで眠る間もない。物語の中だけに出来事があるわけではない、実際にあることが物語となっているのだ。

ウグイスが鳴くを聞いたと告げおれば電話の相手は蝶見たと言う(飯田市)草田礼子

これもとてもすてきな電話の相手との偶然のような呼応を詠んだ歌。電話の最中にふとウグイスが鳴く。それを相手に言うと、蝶を見たという。受話器の先にも春がつながっている。

岸辺ゆき飛び込む亀の水音の次次聞こゆ春となりけり(岐阜市)後藤進

これは川や沼などの水辺にいる亀なのだろうか。当地では見かけたことがないが、亀が飛び込む水の音が次々続くというのは、それだけで愉快だ。そしてそれが春を告げるものともなっているというところ。土地柄なのだろう。興味深い。

当てにした「桜まつり」は花が散りおでんの屋台引き揚げて行く(川崎市)小島敦

今年は桜の開花が早まったので、そういうことが各地にあったのだろう。花が早くて喜んだ人もいるが、桜祭りの日が決まっていたので、業者は致し方なかろう。

椿咲く蕊(ずい)の中に分け入りて大き黒蟻(くろあり)寒さを凌(しの)ぐ(茅ケ崎市)若林禎子

まだ肌寒い日のこと、蜜を吸うばかりではなくて、黒蟻が寒さをしのいでいると作者は見る。まるでふかふかの布団の中にいるかのように。

佐佐木幸綱選

わが家の昔を売りて手にしたる真新しき札の置きどころなし(東京都)佐藤れい子

評を見ると「断捨離直後の複雑な心境。親から伝わったものなども処分したのだろう」。いくらか手元に残っても喜べはしない。断捨離というのは、なかなか難しいもののようだ。

ラオスより贈られしという四頭の仔象(こぞう)愛しも京都に育つ(舞鶴市)吉富憲治

結句が良い。それがあって成り立つ歌だ。初句で「ラオス」と始まり、結句の「京都」までの間が、二つの地の距離を暗示する。気候も違う遠い地まで来てくれて、一緒に大きくなる愛すべき象の兄弟。

お互いに驚き止まる冬の山にんげん一人とカモシカ一頭(島田市)柿本恵子

登山をしている人に聞くと、時々野生の動物に会うことがあるという。それも登山の楽しみだろう。カモシカが見られるなんて、それだけで素晴らしい。

真夜中の窓の不思議な明るさに立てばほかりと春の満月(ひたちなか市)十亀弘史

服役中の作者。窓に照る月の明るさを「不思議な」、「ほかりと」の副詞も独特でおもしろい。
月を詠んだ歌はずいぶんあるが、ひるまずに自分でも詠んでみたいと思わせる。

高野公彦選

土俵には女は上がるべからずと母から生まれた行司が叫ぶ(渋川市)木暮陶歌人

こういう出来事があったので選んでみた。「母から生まれた」というのは、作者の言い分なのだが。

ASOのSOは蘇るとも読む字だと遠くの国の人に伝える(熊本市)星ひかり

一読してよくわからなかったが、阿蘇のことだと作者名を見てわかった。地震を心配する人にそう言ったのだろう。何気なく読み過ごしていた、山の名が人を支えるものになっていく。

砂漠化でリストラされた庭師たちビルの地下にて青薔薇(あおばら)を作る(神奈川県)九螺ささら

「近未来をえがいたSF小説のような歌」とあるから、作者の空想なのだ。仕事を失った庭師が地下の人工の土で作るのは、なるほど、緋色ではなくて青い薔薇がふさわしい。

花の名を知ればいとしく思ふなり七十億の人に名はあり(町田市)高梨守道

植物学者牧野富太郎が「雑草という名の草はない」と言ったが、名を知ると、その他大勢ではなくなる。花から人へ思いをめぐらせる作者その人の名を、今日は歌と共に知る。

一日に一食のみの子ありといふ戦後にあらず平成の今(延岡市)片伯部りつ子

胸の痛くなるような歌。教員をしていた父は戦争を経験していたが、私が子供の頃にも「今でも飯が食えない子がいる」と言っていたことを思い出す。子ども食堂が増えることはよろしくないと詠ったものもあった。

LAAの大谷投手のKKに時差出勤のありがたさ知る(多摩市)田村一男

「KK」が何かを家人に聞いたら、三振のことだという。LAAはチーム名「ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム」だが、そのように揃えた。
他県に転職をした野球好きの息子が、出勤の前ぎりぎりまで試合を見ていたことを思い出して懐かしい。

まとめ

今週もすてきな歌がたくさんでした。今日もありがたく拝読しました。

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