朝日歌壇

朝日歌壇より8月5日 災害と西日本豪雨被害

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こんにちは。まる @marutankaです。

朝日新聞の朝日歌壇から好きな歌を筆写して感想を書いています。
朝日歌壇は朝刊日曜日に掲載。当記事は、8月5日の掲載分です。

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朝日歌壇とは

朝日歌壇についての説明です。
「朝日歌壇」とは朝日新聞朝刊の短歌投稿欄です。俳句は「朝日俳壇」です。
新聞の短歌投稿欄は、どの新聞においても、誰でも自由に投稿できます。投稿方法の詳しいことは別記事
「朝日歌壇」とは何か?朝日歌壇の紹介と他の新聞の短歌投稿方法と応募の宛先住所」
をご覧ください。

馬場あき子選

断水と猛暑の中に老いてなほ生きをるあかしの爪と髭(ひげ)のぶ(尾道市)堀川弘

災害の跡の残る町に居て、自分の生きている証を見つめる。身一つとなられたのかもしれない。残されたものはそれのみだが、自分の身はまぎれもなく生きている証に、爪も髪も髭も伸びてくる。「あかし」が実体であるところがよい。

にほんじんの俺がコリアンのじいさんにキムチを贈り草の根外交(アメリカ)郷隼人

作者はアメリカの刑務所に服役中。手に入ったものを、本来その国の人に贈り、大いに喜ばれたであろう。刑務所の中にも人とのささやかな交流がある。

「寒雷」と「海程」つひに廃刊すはるかなるかな昭和の熱気(埼玉県)酒井忠正

これは長年歌壇に属する選者としては見逃せないニュースだろう。あと10年もすればもっと多くの短歌誌が廃刊になるだろう。歌をやる意味はその時にここに問われるだろうなと思う。

ここまですべて共選。

佐々木幸綱選

IDとパスワードまた増えてゆく便利でお得な毎日のため(東京都)水谷実穂

パソコンを使っていても、久々サイトに入ろうとする度四苦八苦することになる。便利には弊害もある。

犬を見た犬に触った犬撫(な)でた三十年ぶりに犬に触った(アメリカ)郷隼人

上と同じ作者。アメリカの刑務所は比較的自由な印象があるが、もちろん外科医とは隔絶されている。投稿歌を見ているとおおむね忘れてしまうのだが。
もっとも私だとて、犬は何年も触ったことはないか。ふと思い出した。

高さよし距離よし床屋の爺さまはスナップきかせてタオルを投げる(東京都)坂信夫

仕事中の床屋さんのパフォーマンスか。「爺さまは」、それと「スナップきかせて」が良い。高齢者であっても生き生きと仕事をしている様子がうかがえる。楽しい歌だ。

高野公彦選

戦争は無かったけれど災害が多くの命奪った平成(秋田市)畑山真理子

東日本大震災の津波の悪夢がよみがえる大規模災害。そして今は連日の「災害級の暑さ」。戦争ほどではなくても、それを思い起こせるような困難が次々降りかかる平成日本のこの夏は忘れられまい。

妻の背に湿布はるため猫の砂とりかへんため長生きせねば(ひたちなか市)篠原克彦

人を支えるのはこのような些末なことなのだろう。そしてそれが人の核でもある。毎週のように投稿されている作者なので、歌を詠むことも大きな支えとなっている。それを読む私にもまた。

永田和彦選

兄弟に喧嘩起きない額のカネ遺しかあさんいのちをたたむ(霧島市)久野茂樹

思わず考えてしまった。多過ぎても少なすぎても喧嘩となるのだろう。賢明にもちょうど良い額のお金を残してくれた「かあさん」。

仲の良い御子達を育てられたこの母がうらやましい。私の身内は、遺産相続その他で、父方も母方親族、私自身も兄弟は皆絶縁となった。

「遺産」とはお金ばかりではないと、この歌を詠んであらためて思う。

まとめ

災害の歌がかなしくも続いています。そして、主要な短歌誌が廃刊になったニュースも大いに残念に思えます。

そして連日のこの暑さも大変な苦行でありますが、ひるまずに歌を詠みましょう。
詠むのも難しいときは、良い歌を続けて読んで、気持ちを豊かに保ちましょう。

-朝日歌壇

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