朝日歌壇

朝日歌壇10月21日 沖縄知事選玉城デニー氏

投稿日:

こんにちは。まる @marutankaです。

朝日新聞の朝日歌壇から好きな歌を筆写して感想を書いています。
朝日歌壇は朝刊日曜日に掲載。この記事は10月21日の掲載分です。

スポンサーリンク

朝日歌壇とは

朝日歌壇についての説明です。
「朝日歌壇」とは朝日新聞朝刊の短歌投稿欄です。俳句は「朝日俳壇」です。
新聞の短歌投稿欄は、どの新聞においても、誰でも自由に投稿できます。投稿方法の詳しいことは別記事
「朝日歌壇」とは何か?朝日歌壇の紹介と他の新聞の短歌投稿方法と応募の宛先住所」
をご覧ください。

<永田和宏選>

当選を祝いて踊る沖縄は悲しみの日も踊りしと聞く(高松市)桑内繭

沖縄知事選だが、うれしいから踊るだけのものではない沖縄の踊りが、どのようなものか初めて知った。

病名も知らざるままに入院の妻退院のセーター選ぶ(福島県)古川利意

今は病名を告げないということはあまりないが、本人が高齢である場合など例外もあるのだろう。入院に必要なものも作者が選んで持たせる役目をしているのは、大変でもあるが、作者の伝えたいことは上句の方にある。

病んでなお母は死なぬと思ってたあの神無月おろかな私(鎌倉市)園田美智子

結句はむしろ飾り気がないゆえに切実に響く。いつも共にある身内ほど別れがあるということが想定しにくい。どうか自分を責めないで。

<馬場あき子選>

寝たふりをする身体に朝寒し君が仕事に出る音がする(筑後市)近藤史紀

地下足袋に産み付けられた蟷螂の卵は春までそっとしてやる(安中市)入沢正夫

地下足袋はどんな時に使うものか知らないが、例えば春夏の農作業等に履くのだろうか。ならば、作業が休みの間は、卵もそのままにしておいてあげるということなのだろう。卵と地下足袋とが共にひっそりと春を待つ。

我のこと赤子のように目で追いて無垢(むく)になりゆく母の魂(千葉市)牧野弘子

老いていくことは子供に返ることだとも聞くことがある。体は衰えてそれ以上に心も茫洋とする。ただ、魂だけがそこにある。高齢の身内を見ていて美しいとも思う瞬間がある。

<佐佐木幸綱選>

白々と月光静まる峡の村刈田の上を鹿の声渡る(安芸高田市)菊山正史

美しい光景。鹿の声というのは聞いたことがないが、どんな鳴き声だろうか。今号の好きな歌。

愛らしく程よくじゃれてしっぽ振り適度に吠えるロボットの犬(東京都)森田文康

結句を読んで「程よく」と「適度に」の意味がわかる。生身の犬でなければ行き過ぎてじゃまになることもない。共選。

<高野公彦選>

ドア開けて宅配便を受け取りぬ金木犀(きんもくせい)の香りとともに(枚方市)秋岡実

金木犀の香りは割とどこにでもあって、歌の題材としてもよく詠まれるものだろうが、この歌は美しい。「宅配便」と「金木犀」の漢字3文字ずつもバランスが取れていて、倒置法もいい。好きな歌。

秋風が誘ふのだらうかゆつくりと車道へ向かふかまきりかなし(秦野市)関美津子

この秋の歌も美しい。「かなし」は「愛し」だろう。歌の言葉で独特の意味を持つ。短歌の中にこそ、よく見られる情緒だと思う。

仕種(しぐさ)とか笑顔が好きと言われたい食べっぷりって何やねん、それ(西宮市)佐竹由利子

思わず微笑んでしまう。結句の口語のみならぬ方言が肉声を伝えている。好かれているのなら、「食べっぷり」であってもいいではないですか。この読みぶりも、それに似て良いような。

祖母明治 母は大正 子ら昭和 孫は平成 続けよ命(須賀川市)山本真喜子

愉快ながら、命を詠って何と的確だろう。これも結句が素晴らしく良い。

老いらくの日々を切なく軽やかに女どうしで華のハグして(葛城市)島田美江子

楽しく振舞っていても、ぬぐい切れない切なさが詠まれるのだろうが、素敵な老いの歌だ。女性は男性より長命なので互いに親しめるのだろう。

啄木の喜之床(きのとこ)を見に足立区から五時間かけて明治村に来(く)(東京都)豊万里

「喜之床」とは石川啄木が移り住んだ東京文京区の理髪店の名前で、今は跡地となっており、旧家屋は、旧家屋は愛知県犬山市の「明治村」に移築保存されている。 啄木は家族で2年間をそこに住んだ。

帆を上げて打瀬網(うたせあみ)引きえびを取る漁舟(すなどりぶね)のいや優雅さよ(明石市)高野有

「いや」は感嘆詞だが現代の短歌にはめずらしい。実際に見学していて思わず言いたくなったのだろう。

沖縄知事選の玉城デニー氏を詠んだ歌は他に

カリユシの似合う新知事しなやかににこやかに踊るフラッシュのなか(前橋市)
荻原葉月玉城氏の当選の意味沖縄の重荷負ふべしオール日本(ジャパン)が(埼玉県)酒井忠正
喜びをカチャーシーにて分かち合う玉城氏とことんウチナンチューなり(安中市)鬼形輝雄

まとめ

他にも引きたい歌があるのですが、長くなるので割愛させていただきました。好きな歌がたくさんで今号も楽しく読ませていただきました。ではまた来週を楽しみに。

 

-朝日歌壇

Copyright© 短歌のこと , 2018 All Rights Reserved Powered by STINGER.