朝日歌壇

聴禽書屋,蒲鉾通り,ゴーン,干し柿,田仕舞,良寛の本歌取り 朝日歌壇12月16日号

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こんにちは。まる @marutankaです。
朝日新聞の朝日歌壇から好きな歌を筆写して感想を書いています。朝日歌壇は朝刊日曜日に掲載。この記事は12月16日の掲載分です。

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朝日歌壇とは

朝日歌壇についての説明です。
「朝日歌壇」とは朝日新聞朝刊の短歌投稿欄です。俳句は「朝日俳壇」です。
新聞の短歌投稿欄は、どの新聞においても、誰でも自由に投稿できます。投稿方法の詳しいことは別記事
「朝日歌壇」とは何か?朝日歌壇の紹介と他の新聞の短歌投稿方法と応募の宛先住所」
をご覧ください。

永田和宏選

家でする母を追いかけ早朝の赤信号を無視して渡る 竹下敬子

悲しい記憶だ。私にも似た覚えがある。第三句の早朝という時、それから結句に重点がある。

そのむかし水の迫りし高さまで橋脚あをく塗られてありぬ  巻桔梗

水害は昔からあって、伊藤左千夫なども詠んでいるが、実体験ではなくて、水がここまで来たという印を作者が目にしているところ。「そのむかし」と遠く時をへだてて始めるが、二句の迫るような声調がよい。結句は伸びやかな一語で、下句の調べも良い。

初雪に白き山山かがやきてに聴禽書屋(ちょうきんしょおく)に初冬のひかり  沼沢修

斎藤茂吉が戦後疎開した家屋が聴禽書屋。山は蔵王だが、「山々」とせずに、山を二つ書くことで、視覚的にも感じが出ている。

今はもうちらほら店があるだけの蒲鉾通りに波音届く  杉本恭子

かつては蒲鉾を商うにぎやかなところだったが、静まる名残だけの通りに、賑わいの代わりの波音だけが聞こえる。通りの名前がユニークで良い。

馬場あき子選

スケールはゴーンに比して微々たれど我が心にも強欲存す 岡田独甫

ゴーンの歌は今回はこれだけだが、傍観ではなくて、自分にひきつけて詠ったところが評価されたのだろう。作者は僧侶。共選。

二百貫の黒牛売って魂抜けの小屋にどかっと冬の日の入る  中山道治

「魂抜け」は造語なのだろう、おもしろい。そして、豪快な擬音が良い。結句の「冬の日の入る」はここではぴったりだ。自分でもあちこちで使った憶えがあるが、何とも存在感のある冬日でいい。

佐々木幸綱選

慎ましく生くるといふを雨音に聴けと諭さる越の庵(いほり)に  渡部芳郎

「良寛の住まい五合庵での作と注記があった」と評者。和尚の「つれづれと眺め暮らしぬ古寺の軒端を伝ふ雨を聞きつつ」を思い出したものか。

初雪のニュースに夕食中断し家族総出で干し柿取り込む  須貝大二

松本市の作者。干し柿が農家の軒に干されているのは壮観だが、それを急ぎで取り込むとなったら家族皆の手を借りなくてはならあい。「中断し」が特に切迫した様子を伝えるが、事実がよく表されている。共選。

田仕舞のけむりがとざす視界から手品のごとくバスが貌(かほ)出す  久野茂樹

偶然の作る一瞬の情景を捕らえた歌。四句の比喩が良い。そして「貌」の漢字もおもしろさをを加えている。こういう時に使いたい。

高野公彦選

老ひとりくらす厨の窓際の俎板の時に見えず安堵す  山内仁子

なぜ「見えず安堵」なのかというと、つまり、曇りガラスの窓の外側から見て、俎板が時に使われているということが、わかるという内容。決して表庭からではなくて、台所の食に関わるアイテムが良い。ああ、おばあさんちゃんとものを食べているのだなあ、という安心。

山あいの鈍行列車に乗り居れば語り部のごと雨が窓うつ  青木公正

今月号の好きな歌。地味ないぶし銀のような雰囲気を持つ作品。

まとめ

茂吉の居た「聴禽書屋」、そして、良寛の「五合庵」、どちらも一度は行ってみたいところです。遠く人里を離れたところにも、そして、日々の暮らしの中にも、たくさんの歌の種がありますね。早いもので12月も半分を過ぎましたが、静かに歌に向かう時間を確保したいものです。ではまた来週。

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