朝日歌壇

朝日歌壇賞の短歌 第37回 高野公彦 永田和宏 馬場あき子 佐佐木幸綱選

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朝日新聞の朝日歌壇賞第37回の短歌が発表になりました。

これまでの投稿作品から、4人の方の一首ずつの作品が掲載されています。

朝日歌壇賞第37回の短歌をご紹介します。 

朝日歌壇とは

「朝日歌壇」とは何かというと、朝日新聞朝刊の短歌投稿欄の名称です。現在の掲載日は日曜日です。

俳句は「朝日俳壇」です。他の新聞にもそれぞれ「毎日歌壇」「読売歌壇」なとがあります。

新聞の短歌投稿欄は、どの新聞においても、誰でも自由に投稿できます。

朝日歌壇の選者や投稿方法については下の記事に。

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第37回朝日歌壇賞

朝日歌壇賞とは、その年1年間に投稿された入選歌から、4人の選者が一首ずつ選んだものです。

今年の受賞作は以下の4首です。

朝日歌壇賞1首目

ふるさとの金木犀へと続いてる金木犀の香るこの道

作者:山添聖子

金木犀の香りに故郷のことを思い出す、その気持ちを「道がつながっている」と表したものです。

この歌を選んだ高野公彦さんの評

金木犀の香りから故郷の金木犀を思い自分の人生の歩みを思う叙情歌。

 

朝日歌壇賞2首目

テレワーク出来ない人が支えてる文明社会の根っこの部分
作者:藤山増昭

永田和宏さんの評は、

コロナ禍にあって逃げも隠れもできない人々の活動への視線が鋭い

これまでの朝日歌壇のコロナ関連の短歌記事一覧は下から
コロナの短歌

 

朝日歌壇賞3首目

「10年後の理想のあなた」たずねられ言葉をさがす一次面接
作者:松田梨子

 

選者の馬場あき子さんの評は

入社面接の場面の苦しい問い。今日の状況の中では何と答えられたか。

 

関連記事:
馬場あき子の短歌代表作品 さくら花幾春かけて老いゆかん身に水流の音ひびくなり

 

朝日歌壇賞4首目

ビル街に晩翠草堂寂寞と仙台城下宴なき春
作者:藤野章

「晩翠草堂」というのは、仙台市にある文学館、土井晩翠の旧住居のことです

 

選者の佐々木幸綱さんの評は

建物だけを出してコロナ禍による仙台の異様な静かさを表現

 

朝日歌壇選者の新春詠

朝日歌壇選者の新春詠は以下の通りです。

永田和宏 ■学術会議

明かされぬ理由は誰もが考へる よおーく考へろよと睨(にら)まるるごと

あのことを許したのがすべてのはじまりとわれら悔ゆべし遠からぬ日に

 

馬場あき子  ■密さけて

密さけて来し人界の外(と)にありてみつしりと濃し松の葉むらは

毀(こは)れたる柱時計の毀れたる時間鳴り出づ喨喨(りようりよう)として

 

 

佐佐木幸綱  ■マスクと初日

濃紺の闇をすみれ色の大空へ移しつつ新年の日がのぼりくる

襟たてて足踏みをして三人のマスクが並び日の出を待てり

 

高野公彦  ■年酒

まだ知らぬ我に会はむよ七十九となりて静かに年酒(ねんしゆ)たのしむ

原発避難十年目なる異郷にてコロナ禍に遭ひ耐へる人びと

 

 

終わりに

4首のうち、2首がコロナ禍関連の短歌です。

今はやはりコロナ関連の短歌がとても多くなっています。

苦境が短歌作品に表現されるのは素晴らしいことですが、現在のコロナ禍の状況は一日も早く脱したいものです。

そんな願いを込めての新しい年、またたくさんの作品に接することができますように。







tankakanren

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