斎藤茂吉

斎藤茂吉の名言「なにかを光らせるには、光るまで磨くだけでいい」

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斎藤茂吉の”名言”と言われるものには何があるのでしょうか。

斎藤茂吉の随筆、それと歌集のタイトルに関連する”名言”、短歌の理論である「歌論」といわれるものと、斎藤茂吉自身の短歌の名作からご紹介します。

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斎藤茂吉の名言

斎藤茂吉の名言として知られているものは、下の言葉です。

なにかを光らせるには、光るまで磨くだけでいい

これは、ネットではよく挙げられている言葉なのですが、出典がよくわかりません。

おそらく、第二歌集の「あらたま」の題名の元となった森鴎外の『雁』「まだの侭であつた」からの「あらたまから玉が出来るやうに」から、類推された言葉かもしれないと思います。

他に、

己の行く道は間違ってはいない。むろん苦険道であるから時々へたばる時がある。けれども己は歩兵のように歩む

これは、斎藤茂吉の随筆『童馬漫語』からの言葉で、山形大学が

自分で決めた道ならば、信じ貫きなさい。おそらく、楽だと思っても楽な道なんかないだろう。楽だと思ったならば、きっと道をずれている。歩兵はただ前へ進む。いつか大業を成すために・・・。
http://yamagata-university.jp/infomation/2013/12/post-44.html

と説明しています。

しかし、むしろ、斎藤茂吉の”名言”は、やはり直接の短歌の、”心”を述べたものにあると言えます。

その一つが「生のはらわれ」、もう一つがこの下にあげる「実相観入」の言葉です。

斎藤茂吉がどんな歌人であったかは下の記事でご覧ください

斎藤茂吉の作品と生涯 特徴や作風「写生と実相観入」

 

「短歌は生のあらわれ」斎藤茂吉

斎藤茂吉は、自ら記す歌論において

「短歌は生(せい)のあらわれであり、自己そのものでなければならない」

と位置付けています。

この「生」の読みは「せい」ですが、「生のあらはれ」である短歌とは、己のいのちに直結するものでもあったのです。

 

斎藤茂吉の一番の名言は「実相観入」

斎藤茂吉の一番の名言は「実相観入」という言葉です。

これは、斎藤茂吉の短歌の根源を指す言葉として有名です。

実相に観入して自然・自己一元の生を写す。
これが歌の上の写生で、写生は決して単なる記述などではない。

書いた人:斎藤茂吉 (歌人、精神科医、1882~1953)

出典:短歌に関する随筆 『短歌と写生一家言』

斎藤茂吉「実相観入」の意味は

「実相観入」 この言葉は、斎藤茂吉の独自の観念、斎藤茂吉が作った言葉で、一般的な言葉ではありません。他の人が使う言葉ではなくて、斎藤茂吉が自身の短歌の方向を示す言葉です。

斎藤茂吉「実相観入」の意味は、上の通り、「自然・自己一元の生を写す」ということなのです。

もう少しわかりやすく言うと、「事物をよく見てそのままに詠む」というのが、上の中の「写生」という概念です。これは、正岡子規が言った言葉で、アララギの理念の一つとなっています。

斎藤茂吉の「実相観入」は、明確に説明をしたものがなかなか見つからないのですが、写生をする対象に観察をしている自身を投影させるということではないかと思います。

わかりやすい言葉でいうと、「自然と一体になって」という意味と同義です。

短歌には、景色を読み込む「添景」という手法がよく知られています。。

季節の事物や、目に入るものが題材や歌を構成する要素となることが多いのですが、斎藤茂吉の場合は、それが作者とは別の景色としてそこにあるのではなくて、作者とその見方、感じ方と分かちがたい感覚があることが伝わるものがあります。

歌の印象として、ほとんど「作者=自然の景色」となってしまっているような印象を受けるわけです。これは、単なる技法というよりも、やはり、斎藤茂吉自身の特殊な感じ方にあると思われるのです。

 

斎藤茂吉の”名言”は短歌にあり

斎藤茂吉の「名言」はやはり、短歌の作品そのものにあります。

代表作品は、最初の歌集である『赤光』の「死にたまふ母」であり、これは教科書にも掲載されている名作と言えます。

みちのくの母のいのちを一目見ん一目見んとぞただにいそげる

死に近き母に添寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる

のど赤き玄鳥(つばくらめ)ふたつ屋梁にゐて足乳根の母は死にたまふなり

「死にたまふ母」の一首ずつの解説と鑑賞は下の記事からご覧ください。

以上、斎藤茂吉の”名言”と名作の短歌についてご紹介しました。







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