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斎藤茂吉と日本三景の短歌 松島 厳島

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日本三景とは、天の橋立、松島、宮島のことを指します。斎藤茂吉もそれらの地を訪れ、それぞれの旅行詠を残しています。

斎藤茂吉の日本三景の歌をご紹介します。

日本三景とは

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「日本三景」の歴史は古く、江戸時代にさかのぼります。

江戸時代前期の1643年(寛永20年)、儒学者・林春斎(はやし しゅんさい、1618~1680年)が著書『日本国事跡考』において、「松島(まつしま:宮城県)」「天橋立(あまのはしだて:京都府)」「宮島(みやじま:広島県)」を卓越した三つの景観とし、これが「日本三景」となった。

これらの名勝地は、天橋立が、百人一首の「大江山いく野の道のとほければまだふみもみず天の橋立」にもある通り、古くから短歌に詠まれてきたものです。

斎藤茂吉の日本三景の歌

斎藤茂吉も、松島、天橋立、宮島のそれぞれの歌を詠んでいます。

松島を詠んだ短歌

ひむがしの海かぎり見ゆ松島の海路をこえてきらへるも見ゆ 『石泉』

松島のうみ逆まに光うけ水銀のいろたまたまくろむ

ひゆうひゆうと寒さ身にしむ午後四時に松島を出でつ小舟に乗りて

斎藤茂吉の故郷は山形県ですので、松島は距離は比較的近いところにあるといえます。

京都を詠んだ短歌

天橋立を詠んだ短歌は見つかりませんでしたが、京都の寺を詠んだ短歌は歌集『白桃』に以下のものがあります。

いにしへは尊かりけりひれふしてこの白き象もつひにきざみぬ ―醍醐寺

鞍馬寺にのぼり来りてやすらふも一時にしてをはりとぞおもふ ―鞍馬寺

少年の義經のこともいめのごとき僧正谷にわれの汗垂る

宮島を詠んだ短歌

わが眠る枕にちかく夜もすがら蛙鳴くなり春ふけむとす

厳島に一夜やどれば鶯は止まず鳴きたりこゑなつかしも

こよひ一夜友と離れてみづに鳴く蛙のこゑを聞けばさびしも

過去とほきこのみ社にまうで来て心は疲るはるのひと夜を ―『白桃』

きょうの日めくり短歌は、「日本三景の日」にちなみ、斎藤茂吉の松島、宮島を詠んだ短歌をご紹介しました。




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