アマビエという妖怪がコロナ禍で人気となりました。古くから病除けとして民間で信仰されてきたもののようです。
今日の日めくり短歌は、病気とそのアマビエに思い出す「朝日子」のある斎藤茂吉の短歌のご紹介です。
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アマビエとは
アマビエというのは妖怪の一種で、新型コロナに伴って、どこからともなく聞かれるようになりました。
この「アマビエ」は古くから伝わる妖怪の名前であったようですが、水木しげるさんの「日本妖怪大全」で「あまえび」と誤植されたということで、「アマエビ」と記憶されていた方もいるそうです。
アマビコの語源は?
このアマビエの語源は、「天日子尊(あまびこのみこと)」が有力だとする説があります。
絵に残っている「天日子尊」のは、「ずんぐりむっくりとした毛の生えたダルマのような」姿です。
下に古くから伝わるその絵がありますのでご覧ください。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、利用者のみなさんにはいろいろとご迷惑をおかけしております。
疫病の際に絵を描いて見ると良いとされる妖怪アマビエを置いておきますね。貴重資料デジタルアーカイブで公開されておりますのでご活用ください。https://t.co/CR33QLq7WI pic.twitter.com/I5xu6IIJhN— 京都大学附属図書館 (@kumainlib) March 6, 2020
「天日子」とは
それでは、「天日子尊」の「天日子」とは何か。
ここからは、ブログ筆者の推測になりますが、短歌には「天」と書いて、「アメ」「アマ」と読むことがたいへん多いのは周知のことです。
そして「天日子」の「天日」というのは、今でも「天日干し」などという言葉がありますが、太陽の光のことです。
個人的には、「天日子」と聞けば、やはり連想するのは太陽のこと。そして思い出されるのは、斎藤茂吉の下の短歌です。
この病癒えしめたまへ朝日子の光よ赤く照らす光よ
読みは「このやまい いえしめたまえ あさひこの ひかりよあかく てらすひかりよ」
「朝日子」というのは、朝日のことで、「子」は親しみや尊敬を表す接尾語です。
歌の内容は、病気になった斎藤茂吉が、朝日にむかって、「自分の病気を治してください」と願うというものです。
斎藤茂吉の母上は、朝日に向かって毎朝必ず手を合わせていたということで、これは茂吉の母上だけではなく、古くは、太陽に対するそのような素朴な信仰があったようです。
そして、斎藤茂吉もその母上の信仰を幾分か受け継いだのでしょう。
アマビエも朝日子も、コロナ退散に力を貸してくれますように。
それでは、また明日!
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