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斎藤茂吉の短歌30首代表作品 全歌集より

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斎藤茂吉の代表的な短歌作品30首をまとめます。

出典は、斎藤茂吉の全歌集『赤光』『あらたま』『ともしび』『白桃』『白き山』他から。

代表作短歌として、まず読んでおきたい斎藤茂吉の秀歌を集めます。

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斎藤茂吉の短歌30首

斎藤茂吉の代表的な短歌作品30首、全歌集『赤光』『あらたま』『ともしび』『白桃』『白き山』他から、まず読んでおきたいと思われる斎藤茂吉の秀歌を集めました。

もっとも斎藤茂吉の秀作はここにあげたものにはとどまりません。

※斎藤茂吉の生涯と、折々の代表作短歌は下の記事に時間順に配列しています。
斎藤茂吉 三時代を生きた「歌聖」

その他のインデックスは

・現代語訳付きと、各語の注解、文法解説を含む詳しい記事は「斎藤茂吉赤光解説」斎藤茂吉『あらたま』解説 または「死にたまふ母全59首」からどうぞ。

・岩波書店刊の「茂吉秀歌」の抜粋をまとめたものは別記事「茂吉秀歌」をご覧ください。

それよりも詳しい佐藤佐太郎による長文の鑑賞は

斎藤茂吉の短歌の鑑賞と解説(上)『赤光』『あらたま』
斎藤茂吉の短歌の鑑賞と解説 (下)[あらたま」「白き山」

にあります。

少しずつ違いがありますので、必要に応じてお読みください。

 

斎藤茂吉の短歌30首代表作品

以下は、斎藤茂吉の代表作短歌の30首です。

有名な「死にたまふ母」の短歌他

このうち最も有名なのは、下の三つです。これらは教科書にも収録されている作品です。

 

斎藤茂吉の短歌の30首一覧

代表作の30首は以下の通りです。

各歌をクリックすれば解説ページが表示されます。

赤茄子の腐れてゐたるところより幾程もなき歩みなりけり

猫の舌のうすらに紅き手ざはりのこの悲しさを知りそめにけり

死に近き母に添寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる

のど赤き玄鳥ふたつ屋梁にゐて足乳根の母は死にたまふなり

--以上『赤光』

あかあかと一本の路とほりたりたまきはる我が命なりけり

草づたふ朝の螢よみじかかるわれのいのちを死なしむなゆめ

かうかうと西吹きあげて海雀あなたふと空に澄みゐて飛ばず

ゆふされば大根の葉にふる時雨いたく寂しく降りにけるかも

ものの行とどまらめやも山峡の杉のたいぼくの寒さのひびき

朝あけて船より鳴れる太笛のこだまはながし竝みよろふ山

--以上『あらたま』

湯いづる山の月の光は隈なくて枕べにおきししろがねの時計を照らす

--一首『つゆじも』

松かぜのおと聞くときはいにしへの聖のごとくわれは寂しむ

今日の日も夕ぐれざまとおもふとき首をたれて我は居りにき

さ夜ふけて慈悲心鳥のこゑ聞けば光にむかふこゑならなくに

しづかなる峠をのぼり来しときに月のひかりは八谷を照らす

信濃路はあかつきのみち車前草(おおばこ)も黄色になりて霜がれにけり

松かぜのおと聞くときはいにしへの聖(ひじり)のごとくわれは寂しむ

--以上『たかはら』

春の雲かたよりゆきし昼つかたとほき真菰(まこも)に雁しづまりぬ

谷汲(たにぐみ)はしづかなる寺くれなゐの梅干ほしぬ日のくるるまで

ただひとつ惜しみて置きし白桃のゆたけきを吾は食ひをはりけり

さむざむと水泡を寄する風ふきてわがかたはらに生けるもの見ず

弟と相むかひゐてものを言ふ互のこゑは父母のこゑ

--以上『白桃』

うつつにしもののおもひを遂ぐるごと春の彼岸に降れる白雪

ゆふ闇の空をとほりていづべなる水にかもゆく一つ螢は

--以上『暁紅』

北とほく真澄(ますみ)がありて冬のくもり遍(あまね)からざる午後になりたり

さだかならぬ希望(のぞみ)に似たるおもひにて音のきこゆるあけがたの雨

--以上『寒雲』

沈黙のわれに見よとぞ百房の黒き葡萄に雨ふりそそぐ

--一首『小園』

最上川逆白波のたつまでにふぶくゆふべとなりにけるかも

やまひより癒えたる吾はこころ楽し昼ふけにして紺の最上川

うつせみのうつせみの吾が居たりけり雪つもるあがたのまほら冬のはての日

--以上『白き山』




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