斎藤茂吉 赤光

「赤光」斎藤茂吉短歌代表作一覧 現代語訳付き解説と鑑賞

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「赤光」斎藤茂吉の代表作である第一短歌集から主要な短歌を抜粋し、現代語訳と文法解説、解説をまとめました。

「赤光」の「死にたまふ母」は教科書にも掲載、日本の代表的な短歌とされています。ぜひ皆様で鑑賞しましょう。

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・「死にたまふ母」は別ページ「死にたまふ母」全59首の方にあります。

・岩波書店刊の「茂吉秀歌」の抜粋をまとめたものは別記事「茂吉秀歌」をご覧ください。

さらに詳しい佐藤佐太郎による長文の鑑賞は 斎藤茂吉の短歌の鑑賞と解説(上)「赤光」「あらたま」
斎藤茂吉の短歌の鑑賞と解説(下)[あらたま」「白き山」 にあります。

・解説者の佐藤佐太郎他については佐太郎の茂吉解説をご覧ください。他の歌集についても順次追加していきますので、お待ちください。

『赤光』の代表作は

『赤光』(しゃっこう)というのは、歌人斎藤茂吉が最初に出した短歌集のタイトルです。

『赤光』の代表作はなんといっても、その中の「死にたまふ母」一連の作品です。

教科書にも掲載されて、皆に知られる作品となっています。

いちばんよく知られている歌は、下の通りです。

他の『死にたまふ母」59首につきましては、別ページ「死にたまふ母」全59首の方からご覧ください。

各歌の解説については、下の一覧から、各歌をクリックしてくだされば、各歌の解説ページに飛びますので、どうぞ一首ずつご覧ください。

コンパクトに現代語訳入りで、全部を読みたいという場合は、斎藤茂吉『赤光』代表作解説全文 短縮版 からご覧ください。

 

『赤光』斎藤茂吉 掲載短歌一覧

『赤光』の「死にたまふ母」以外の代表作一覧です。

このページはインデックスです。各歌をクリックしてくだされば、各歌の解説ページに飛びますので、どうぞ一首ずつご覧ください。

『赤光』斎藤茂吉の代表的な作品

蚊帳のなかに放ちし蛍夕さればおのれ光りて飛びそめにけり

月落ちてさ夜ほの暗く未だかも弥勒は出でず虫鳴けるかも

かへり見る谷の紅葉の明(あき)らけく天(あめ)にひびかふ山がはの鳴り

隣室に人は死ねどもひたぶるに箒ぐさの実食ひたかりけり

細みづにながるる砂の片寄りに静まるほどのうれひなりけり

木のもとに梅はめば酸しをさな妻ひとにさにづらふ時たちにけり

おのが身をいとほしみつつ帰り来る夕細道に柿の花落つも

たまたまに手など触れつつ添ひ歩む枳殻垣にほこりたまれり

しろがねの雪ふる山に人かよふ細ほそとして路見ゆるかな

さにづらふ少女ごころに酸漿(ほほづき)の籠らふほどの悲しみを見し

よにも弱き吾なれば忍ばざるべからず雨ふるよ若葉かへるで

赤茄子の腐れてゐたるところより幾程もなき歩みなりけり

はるばるも来つれこころは杉の樹の紅の油に寄りてなげかふ

みちのくの蔵王のやま腹にけだものと人と生きにけるかも

長鳴くはかの犬族のなが鳴くは遠街にして火は燃えにけり

猫の舌のうすらに紅きてざわりのこの悲しさを知りそめにけり

ほのかなる茗荷の花を目守る時わが思ふ子ははるかなるかも

ものみなの饐ゆるがごとき空恋ひて鳴かねばならぬ蝉のこゑ聞ゆ

けふもまた向ひの岡に人あまた群れゐて人を葬りたるかな

いちめんに唐辛子あかき畑みちに立てる童のまなこ小さし

自殺せる狂者をあかき火に葬りにんげんの世に戦きにけり

けだものは食(たべ)もの恋ひて啼き居たり何(なに)といふやさしさぞこれは

わが目より涙ながれて居たりけり鶴のあたまは悲しきものを

かの岡に瘋癲院のたちたるは邪宗来より悲しかるらむ

遠国へ行かば剃刀のひかりさへ慣れて親しといへば嘆かゆ

神無月空の果てよりきたるとき眼ひらく花はあはれなるかも

いのち死にてかくろひ果つるけだものを悲しみにつつ峡に入りけり

ゆふ日とほく金にひかれば群童は目つむりて斜面をころがりにけり

雪の中に日の落つる見ゆほのぼのと懺悔(さんげ)の心かなしかれども

赤電車にまなこ閉づれば遠国へ流れて去らむこころ湧きたり

にんげんの赤子を負へる子守居りこの子守はも笑はざりけり

ひんがしはあけぼのならむほそほそと口笛吹きて行く童子あり

なげかへばものみな暗しひんがしに出づる星さへあかからなくに

ほのぼのと目を細くして抱かれし子は去りしより幾夜か経たる

ひったりと抱きて悲しもひとならぬ瘋癲学の書のかなしも

わが生れし星を慕ひしくちびるの紅きをんなをあはれみにけり

うれひつつ去にし子ゆゑに藤のはな揺る光りさへ悲しきものを

この心葬り果てんと秀の光る錐を畳にさしにけるかも

ひんがしに星いづる時汝が見なばその目ほのぼのとかなしくあれよ

死に近き母に添寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる

我が母よ死にたまひゆく我が母よ我を生まし乳足らひし母よ

のど赤き玄鳥(つばくらめ)ふたつ屋梁(はり)にゐて足乳根の母は死にたまふなり

どんよりと空は曇りて居りしとき二たび空を見ざりけるかも

ダアリヤは黒し笑ひて去りゆける狂人は終にかへり見ずけり

めん鶏ら砂あび居たれひつそりと剃刀研人(かみそりとぎ)は過ぎ行きにけり

たたかひは上海に起り居たりけり鳳仙花赤く散りゐたりけり

ひた赤し煉瓦の塀はひた赤し女刺しし男に物いひ居れば

天そそる山のまほらに夕よどむ光の中に抱きけるかも

鳳仙花城跡に散り散りたまる夕かたまけて忍び来にけり

ひた走るわが道暗ししんしんと怺へかねたるわが道くらし

罌粟はたの向うに湖の光りたる信濃のくにに目ざめけるかも

氷きるをとこの口のたばこの火あかかりければ見て走りたり

ほのぼのとおのれ光りてながれたる蛍を殺すわが道くらし







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