今日は束の間の梅雨の晴れ間。長雨が続く梅雨には、雨の上がる日は大変ありがたく思えます。
今日の日めくり短歌は、良寛和尚の梅雨の晴れ間の出てくる歌を2首、ご紹介します。
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五月雨の晴れ間に出でて眺むれば青田涼しく風わたるなり
作者は、良寛和尚。
初句の「五月雨」は旧暦のことであり、今の梅雨に当たります。
「青田」というのは、田植えが終わって、稲が茂り始めた様子。
その青々とした稲を揺らして、風が吹き渡っていくすがすがしい風景を読んでいます。
昔の人は、雨や天候には、今以上に敏感だったのではないかと思います。
今のように、車はもちろん、十分な雨具もない。雨が降っては農作業もできません。
良寛は新潟県出身、今の長岡市に住んでいたようで、新潟県は今も米どころ、良寛の生きた江戸時代からこのような風景が広がっていたのでしょうか。
もう一首。
ひさかたの雨の晴れ間にいでて見れば青みわたりぬ四方の山々
斎藤茂吉はこの歌の「青みわたりぬ」に注目、この語で「歌が締まった」と評しています。
山の色はいつもと違う、雨に濡れた山、雨の上がった後に緑を濃くした様子に注目したのですね。
今日は当地は午後からまた雨になりそうです。
久しぶりの梅雨の晴れ間、皆様も楽しくお過ごしください。
それではまた明日!
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