夫の実家のある水戸市弘道館とその周辺を散策してきました。弘道館内にあった歌碑のご紹介です。
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水戸弘道館 要石歌碑
こちらは要石歌碑といわれるものです。
要石というのは、元々は鹿島市の鹿島神社にあったもののようです。
鹿島社要石は仏教的宇宙観でいう、大地の最も深い部分である金輪際から生えている柱と言われ、この柱で日本は繋ぎ止められているという。
それに倣って、水戸の弘道館近くの鹿島神社の敷地内にも、上の写真の要石が設けられました。
水戸斉昭の短歌
この石の面に刻まれているのが、水戸斉昭の短歌です。
「行末毛 富美奈太賀幣曽 蜻島 大和乃道存 要那里家流」
(行く末も 踏みなたかへそ あきつ島 大和の道そ 要なりける)
歌意は「日本古来の道徳は永久に変わらないものであるから、日本人である者はこの道を踏みちがえることがあってはならない」。
水戸八景の他の短歌
水戸斉昭は、文政12(1829)年藩主に就任し、天保4年(1833)年はじめて水戸を訪れて藩内を精力的に歩き回り藩政改革の骨子を立案。
この時、近江八景になぞらえて、近郊の名勝から水戸八景を選んだといいます。
今その地にはそれぞれ八景名を刻んだ烈公自筆の石碑が建っています。
1 青柳夜雨 水戸市青柳町 鹿島香取神社境内南の那珂川堤防の柳の木の下。
和歌:夜雨に小舟くだせば夏陰の柳を渡る風の涼しさ
2 山寺晩鐘 常陸太田市稲木、西山研修所内東端。
和歌:つくづくと聞くにつけても山寺の霜夜の鐘の音ぞ淋しき
3 太田落雁 常陸太田市栄町、東崖の展望台。
和歌:さして行く越路の雁の越えかねて太田の面にしばしやすらう
4 村松晴嵐 那珂郡東海村村松、村松虚空蔵尊裏手の砂丘。
和歌:真砂地に雪の波かと見るまでに塩霧晴れて吹く嵐かな
5 水門帰帆 ひたちなか市和田町、ひたちなか市役所那珂湊総合支所(旧那珂湊市役所)裏手。
和歌:雲のさかいしれぬ沖に真帆上げてみなとの方によするつり舟
6 巌船夕照 東茨城郡大洗町祝町、願入寺裏の西側。
和歌:筑波山あなたはくれて岩船に日影ぞ残る岸のもみじ葉
7 広浦秋月畔 東茨城郡茨城町下石崎涸沼湖畔キャンプ場湖岸。
和歌:大空の影を映して広浦の波間をわたる月ぞさやけき
8 仙湖暮雪 水戸市常磐町、偕楽園南崖。
和歌:千重の波よりてはつづく山々をこすかとぞみる雪の夕ぐれ
烈公(斉昭)は、水戸城下に住んでいた藩子たちに、一日がかりで全行程約90キロの八景巡りをさせて、自然への親しみと心身の鍛練をはかったといいます。
あくまで歴史的なものですから、短歌がどうというよりも散策がてら、斉昭公の足跡をしのびつつ、お立ち寄りになってみてください。
弘道館と鹿島神社その他歴史散策路
また、弘道館周辺は歴史的な散策路が出来上がっており、数々のゆかりの建造物他が見られます。
ひじょうに良いところなのでまた行きたいです。
それと来年には、水戸城大手門などの復元も完成することになっていますので、それもとても楽しみです。
今回の散策コースについて詳しくはこちら
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