アララギの歌人たち 石川啄木

石川啄木「悲しき玩具」の感想~伊藤左千夫

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伊藤左千夫に石川啄木の「悲しき玩具」の評をしたものがある。

 

石川啄木「歌のいろいろ」

 まず、石川啄木が、自分の短歌について書いたもの。

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(中略)忙しい生活の間に心に浮んでは消えてゆく刹那々々の感じを愛惜する心が人間にある限り、歌といふものは滅びない。假に現在の三十一文字が四十一文字になり、五十一文字になるにしても、兎に角歌といふものは滅びない。さうして我々はそれに依つて、その刹那々々の生命を愛惜する心を滿足させることが出來る。--「歌のいろいろ」石川啄木 

 

伊藤左千夫は「悲しき玩具」について、「敬服に堪えない一事」「君が歌に対するその信念と要求とに良く一致している」と評価していたようだ。

しかし、上の文章の箇所の「忙しい生活の間に心に浮んでは消えてゆく刹那々々の感じを愛惜する」というような意味で作られたものが「最善の歌とは思えない」と左千夫は言う。

 

「心に浮かんだ感じを、更に深く心に受け入れて、その感じから動いた心の揺ぎを、詞調の上に表現してほしいのである」--『日本の詩歌』より

 

左千夫は、歌を「心の叫び」と言った。啄木のいうような日記まがいのものでは飽き足らなかったのである。

 







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