岡井隆さんの訃報が伝わりました。現代短歌の最前線で活躍した歌人です。92歳でした。
岡井隆さんの「肺尖にひとつ昼顔の花燃ゆと告げんとしつつたわむ言葉は」をご紹介します。
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肺尖(はいせん)にひとつ昼顔の花燃ゆと告げんとしつつたわむ言葉は
作者は岡井隆さん。歌集『朝狩』より。
医師を務めながら、短歌の第一線で活躍した歌人です。
上の歌は、代表作として引用されることの多い作品。
医師としての患者さんを前に、レントゲン写真を見ながら、説明をしなくてはならない場面を詠ったものです。
「昼顔の花燃ゆ」というのが巧みな比喩です。
※日めくり短歌一覧はこちらから→日めくり短歌
岡井隆さんについて
岡井隆さんはアララギ出身で、その後、塚本邦雄と共に、前衛短歌運動を展開。
宮中歌会始の選者としても活躍しました。
朝日新聞にあげられた代表作短歌は他に
父よ父よ世界が見えぬさ庭なる花くきやかに見ゆという午(ひる)を
キシオタオ……しそののちに来んもの思えば夏曙のerectric penis
今日の日めくり短歌は、ニュースで訃報が伝えられた岡井隆さんの短歌を紹介しました。
岡井隆プロフィール
岡井 隆(おかい たかし)1928年生
日本の歌人・詩人・文芸評論家。未来短歌会発行人。日本藝術院会員。塚本邦雄、寺山修司とともに前衛短歌の三雄の一人。
1993年から歌会始選者となり宮廷歌人となったが、そのことに対して歌壇では批判と論争が巻き起こった。
2007年から宮内庁御用掛。2016年、文化功労者選出。(ウィキペディアより)
他の岡井隆さんの短歌代表作品については、この後の別記事で紹介しています。
これまでの岡井隆関連記事:
斎藤茂吉「歌集『ともしび』とその背景」岡井隆著