現代短歌

石川不二子さん訃報「ゆきあひの空」迢空賞の歌人【日めくり短歌】

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石川不二子さんの訃報が伝えられました。開拓農場を経営する中で詠んだ短歌が特徴で、「ゆきあひの空」で迢空賞を受賞した歌人です。

きょうの日めくり短歌は、石川不二子さんの短歌をご紹介します。

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母山羊と仔山羊がながく呼びかはす合歓の葉すでに眠るゆふべを

作者:石川不二子

石川不二子さんは農業大学を卒業後、島根県に入植、のち岡山で、農場を営まれました。

農業に関わる風土や、動植物の歌に印象に残る作品が多くあります。

石川不二子紹介文

神奈川県生まれ。東京農工大在学中、中井英夫によって見出された新人。

大学卒業後は、島根県の開拓地に入植。第1歌集『牧歌』には、厳しい自然の中で営まれる生活を、過不足のない言葉で簡潔に誠実に詠う魅力的な作品が詠まれた。

石川不二子の短歌

「牧歌」より初期の作品。

大学時代から、結婚されて農場で働く生活を伝えます。

農業実習明日よりあるべく春の夜を軍手軍足買ひにいでたり

睡蓮の円錐形の蕾浮く池にざぶざぶと鍬洗ふなり

みづみづしき相聞の歌など持たず疲れしときは君に倚りゆく

母山羊と仔山羊がながく呼びかはす合歓の葉すでに眠るゆふべを

化粧水の瓶にやさしき陽がさしてわれのはたちは今日にて終る

ルナアルの「博物誌」一冊あてがはれ置去られたるわれとこがらし

見のかぎり花野が牧野にならむ日ぞやがてはわれも農の子の母

塩はゆき黒髪を噛む子牛どもわが夫よりもいたく優しく

荒れあれて雪積む夜もをさな児をかき抱きわがけものの眠り

葉ざくらとなりて久しとおもふ木のをりをりこぼす白きはなびら

「のびあがり赤き罌粟咲く、身を責めて切なきことをわれは歌わぬ」に石川氏の歌の性格が表れているかもしれません。

石川不二子「ゆきあひの空」

最近の歌集は「ゆきあひの空」。迢空賞を受賞しています。

よく撓ふのが佳き萩ぞよその萩を見てきて称(たた)ふわが白萩を

銀化してガラスは貴くなるものをいつまでかあらんわが歌の命

ななそぢといふ齢かな新しき死者増えふるき死者とほざかる

きょうの日めくり短歌は、訃報の伝えられた石川不二子さんの短歌をご紹介しました。

それではまた明日!

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