俵万智さんが、第6歌集「未来のサイズ」で、詩歌文学館賞を受賞されました。
おめでとうございます!
発表は5日、贈賞式は10月23日、日本現代詩歌文学館で開かれるということです。
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俵万智さん 詩歌文学館賞受賞
歌人の俵万智さんが、昨年刊行された最も優れた詩歌作品集に贈る「第36回詩歌文学館賞」を受賞されたことが発表されました。
「詩歌文学賞」は日本現代詩歌文学館振興会などが主催しています。発表は5日。
宮崎県の選出は、2018年、同じく歌人の伊藤一彦さん以来だということです。
おめでとうございます。
第6歌集「未来のサイズ」
受賞された作品は、第6歌集「未来のサイズ」です。
石垣島や宮崎での暮らし、コロナ禍のもとでの生活を詠んだ歌まで、時系列順に並べられています。
このうちで最も心を引かれるのは、やはり子どもをめぐる短歌です。
そして、この歌集で子どもへの愛情が強く出ているのは、子どもと一緒にいる時ではなくて、子どもの不在を詠った歌です。
ふいうちでくる涙あり小学生下校の群れとすれ違うとき
日に四度電話をかけてくる日あり息子の声を嗅ぐように聴く
全寮制の学校に入れたため、分かれた”息子”さんの不在の時間が、むしろ濃密に詠まれていることに驚かされます。
肉声を聞くような、「ほんとうの短歌」。2首目は、まるで恋人からの電話のようです。
恋愛を詠った『サラダ記念日』の時には、このような相手が恋愛の相手以外に、文字通り”生れる”とは作者も思っていなかったことでしょうね。
また電話しろよと言って
そして、「日に四度電話をかけてくる」息子さんも、お母さんが恋しいのに違いありません。
まだ中学生なのですが、この学校に入りたいというのは、息子さん自身の希望だそうなの、お母さんである俵さんも同意されたのでしょうが、子どもの親離れとは、読んでいて、何とももの悲しい、切ない短歌なのです。
制服は未来のサイズ入学のどの子もどの子も未来着ている
『未来のサイズ』のタイトルとなった短歌。
子どもの入学式の制服を詠んだ歌ですが、「未来のサイズ」というのが、素晴らしいですね。
他にもコロナ禍の短歌も多数収録されています。
日本現代詩歌文学館で贈賞式
贈賞式は10月23日、日本現代詩歌文学館で開かれるということです。
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