兎も片耳垂るる大暑かな は芥川龍之介の俳句。
暑いときのウサギの耳が実際どうなのかはわからないが、おもしろい句だと思われる。
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芥川龍之介の夏の俳句
芥川龍之介には、夏を詠んだ句が多いような気がする。
他にも、家の鶏を題材にした
松かげに鶏はらばへる暑さかな
こちらは実際にも犬猫がよくこういう格好をする。
動物は日陰の地面が冷たいのが心地良いらしい。
夏だった芥川龍之介の河童忌
7月24日が河童忌。
芥川龍之介と友人で会った内田百閒(うちだひゃっけん)はその年の夏の暑さに触れ、
「色色の原因の上に、あんまり暑いので腹を立てて死んだのだろうと思った。」
と回想して書いたことがある。
百閒は同じ漱石門下でもあり、海軍機関学校に共に勤めたこともあり、芥川の親しい知己のひとりであった。
若い時で作家として才能も認められていた芥川の自殺は、友人はもとより文学界に大きな影響を与えたが、周囲にははっきりした原因がわからなかったようだ。
「あんまり暑いので」ということで、自然現象なら仕方がないとしてはじめて百閒も慰められる気持ちがしたのかもしれない。