新刊案内『しびれる短歌』穂村弘,東直子 対談形式で秀歌を解説 現代短歌の入門書にも  

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新刊案内『しびれる短歌』穂村弘,東直子 対談形式で秀歌を解説 現代短歌の入門書にも

2019年1月21日

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1月に穂村弘さんと東直子さんの新刊『しびれる短歌』が刊行されました。
内容をご紹介します。

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『しびれる短歌』

「短歌をいくつかの項目に分けて語りあい、それぞれの角度から見えてくる人間の心や時代性を探った本」と紹介されています。

2019年1月8日の新刊、著者は穂村弘と東直子さんです。

『しびれる短歌』内容紹介

恋、食べ物、家族、動物、時間、お金、固有名詞の歌、トリッキーな歌など、様々な短歌を元に歌人の二人が短歌が語る、対談集のような内容になっています。

歌評あり、個人的な感想もあり、また、短歌の入門書としても良さそうです。

取り上げられているのは、現代の歌人なので、現代短歌が好きな方におすすめです。

Amazon他の書評から感想など

ネットにあげられている感想はとても好評です。

現代短歌の主翼を担う二人ですから、取り上げる歌も読みも、親しみやすいものが多くなります。

対談形式で短歌の今を切る。テンポよく進む。ところで読み終わった私は、万葉集以降の和歌や近代や昭和の短歌と親しみたい気分になった。私がしびれる「歌」を見つけたい。

時代の先端を行く歌人2人が、多くの短歌を引用しながら、「いま」を語っている。短歌入門書としても素晴らしい出来だと思う。

『しびれる短歌』の中の作品

1千万円あったらみんな友達にくばるその僕のぼろぼろのカーディガン 永井祐

体などくれてやるから君の持つ愛と名の付くすべてをよこせ 岡崎裕美子

精神を残して全部あげたからわたしのことはさん付けで呼べ 野口あや子

もろもろの愛憎はどうでもよし小さくなりたる母ふたりあり 小島ゆかり

家族の誰かが「自首 減刑」で検索をしていたパソコンまだ温かい 小坂井大輔

生前は無名であった鳥がからあげクンとして蘇る 木下龍也

杜子春は恐怖のあまり目を閉じた。括弧の中には入れないのだ。千葉聡

「しびれる短歌」目次 

第一章 やっぱり基本は恋の歌 僕らの頭の中は「繁殖」と「恋」の二重性で混乱している/あえて女性の肉体を誇示した与謝野晶子はすごい/「している」自分の身体をモノとして見る苦さ/繁殖のために恋してるわけじゃないという意志が見える/脳内に溢れる相手に対する妄想/男の歌には後ろめたさや苦さがない/昔はもっと恋愛ばっかり詠んでいる人がいた/ものすごく美味しいものを紙皿で食べてるみたい/でもなんで、上から目線なんでしょうか/恋の歌と食欲の歌は混じる/何の欲をどれくらい恥ずかしいと思うか/食欲と性欲が重なる感じは男女差がないのかも

第二章 食べ物の歌には魔法がかかっている 食べ物は対人関係と結びつく/微妙な距離を測っている

第三章 いまがわかる! 家族の歌 優しい、可愛い、愛しい、母や妹/衰えた親をしみじみと見る/お父さんは謎の存在/脳内の思考が漏れ出ている/お父さんより娘のほうが大事/お母さんは怖かった/家族だから除菌しなくてもいい/マッチを擦らない世代、キッチンで何かを食べる母/妻が夫を詠んだものはすごい/夫婦の間で微妙にズレがある/実際には妹がいなくても歌を作っている/夫婦ってホラーだ

第四章 イメージを裏切る動物の歌 人間には計り知れない動物の世界/短歌には素敵バイアスがある/プロの歌人の歌には文体がある/奇想の歌というのもある

第五章 人生と神に触れる時間の歌

 

見出しを見ているだけでも面白差が伝わるでしょう。ぜひお手に取ってご覧ください。




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