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犬の短歌~来たる年は戌年 きみはむかし~小池光 齋藤史

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暮れも迫って、正月のために少しは身ぎれいにしようと美容院に行った。髪を巻いてもらいながら、待つ間に本に見つけた犬の短歌。


きみはむかしゆかいな兵士 一匹の老犬眠る合歓の木の下 小池光
獣骨をくはえて埋めに行く犬がわれに見られていたくはにかむ 齋藤史

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小池の歌の方。
亡くなった犬の歌。「きみはむかしゆかいな兵士」というのは比喩なのだろう。墓碑銘に記してもいいような句だ。

それも「むかし」となり、犬は木の下に眠っている。作者は、その木の下を眺めているのかもしれない。

上句は犬に向かって言っている。下句は第三者的な記述となる。犬に向かって言う句は楽しくあたたかい。「きみ」」も「むかし」もひらがなである。

そういえば、相聞歌というのは、相手に向かって直接語り掛けるものだったと思い出す。そして、存外、動物に語る歌というのは少ない。

「一匹の老犬眠る」とは言い得ても、「きみは」と動物と同じ視点に立つことはあまりないように思う。そういう意味では、作者と犬の近さが伝わってくる。

齋藤の方。
「獣骨」と「いたくはにかむ」のかわいらしさがミスマッチの気がするが、人間の視界の中で犬は野生を失うのだろうか。

そもそも犬は「はにかむ」ことはない。これは作者の見方だろう。そこはちょっとおもしろい。







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