百人一首の七夕の和歌 中納言家持 天の川の橋は”かささぎ”の翼【日めくり短歌】  

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百人一首の七夕の和歌 中納言家持 天の川の橋は”かささぎ”の翼【日めくり短歌】

2020年7月7日

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百人一首には、七夕の有名な和歌があります。中納言家持の歌に詠まれる”かささぎの橋”とは天の川のこと。

大伴家持の百人一首の6番目の和歌をご紹介します。

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七夕の短歌

今朝のテレビ朝日のニュース番組では、「七夕の願いはなぜ笹竹に飾るのか」という問題が出されました。

なぜ七夕に笹?

「なぜ七夕に笹?」の答えの選択肢は二つで、

    天の川の橋は竹製だった

    神が宿るものだから

そのうち、答えは、   の方でした。

七夕に笹の葉に願う理由

その理由は、竹そのものが、古くからありがたいものとされ、まっすぐ天に伸びて、雪や風にも強いことや、冬も青々としているなどの点から、神聖視されてきたそうです。

葉の音や、中が空洞になっているので、そこに神が宿る”依代(よりしろ)”と考えられ、そこで、七夕は元より、地鎮祭などの願い事を飾るのに今でも用いられているとのことでした。

天の川の橋は”かささぎ”

そして答えの選択肢のもう一つ、「天の川の橋は竹製だった」、これはもちろんクイズなので正しくなく、正しくは「天の川の橋」はカササギという鳥の翼なのです。

それを詠んだ歌が、百人一首の中の次の歌です。

かささぎの渡せる橋におく霜の白きを見れば夜ぞ更けにける

読みは、「かささぎの わたせるはしに おくしもの しろきをみれば よぞふけにける」

百人一首の6番目が七夕歌

百人一首の6番目の和歌です。

作者は 中納言家持(ちゅうなごんやかもち)、万葉集の大伴家持のことで、「令和」の梅花の歌の序文を記したとされる、大伴旅人の息子です。

意味は、

七夕の天の川にかかる橋、その橋がかささぎの翼で二人を渡すのだが、遠く眺めると、そこに星が白く霜のように散らばっているのが見える。もう夜も更けたのだなあ。

というものです。

冬の冴えわたる夜空の星を、白い霜に見立てていることから、季節は冬だということがわかります。

日めくり短歌一覧はこちらから→日めくり短歌

星と霜のダブルイメージ

地上の世界にある「霜」と夜空の星を置き換えることで、その「霜」が異なる二つの時空の、文字通りの”橋渡し”をしています。

霜は地面にあるものですが、そうすることで、歌の示す空間が、地面と空との広範囲に及びます。

「かささぎの」と空想上のアイテムから歌を始めて、それを「霜」という身近なものと、七夕の夏から現実の冬へと引き寄せていきます。

イマジネーション豊かな、ダブルイメージを表す内容の作品です。

七夕を詠んだ短歌は万葉集から

この歌は、新古今集にも採られていますが、七夕を詠んだ和歌や短歌は、万葉の時代からあり、七夕の風習も現代に継がれています。

七夕はそれだけ古い伝説であり、多くの作者がたくさんの”七夕歌”を残しています。

下にまとめてありますので、どうぞ覗いてみてくださいね。

※七夕の記事はこちらから
七夕の短歌の記事一覧

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