西瓜の日にちなみ、今日の日めくり短歌は西瓜を詠んだ歌を、現代短歌より2首ご紹介します。
穂村弘氏と本多真弓氏の作品、いずれも西瓜が昭和レトロで地方色の強い食べ物という印象です。
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7月27日は西瓜の日
きょう7月27日は西瓜の日。
夏が西瓜の季節であるのはわかりますが、なぜ27日なのかというと、スイカの特徴である縦の縞模様を、”綱(つな)”に例え、7月27日を「なつのつな」(夏の綱)の語呂合わせで制定されたということだそうです。
「727」の数字を並べてみると、視覚的にもいい感じですね。
西瓜の由来はことば検定に解説があります。
正岡子規は西瓜が好きだった
有名な歌人でいうと、正岡子規は西瓜が好きだったそうなのですが、詠まれたのは、短歌でなく俳句だけだったようです。
横町や祇園祭の西瓜店
もてなしや池へ投げ込む冷し瓜
越し絵を照らす西瓜の灯篭かな
正岡子規の短歌記事一覧は
正岡子規の短歌代表作10首 写生を提唱
他の歌人にも、案外西瓜を詠んだものは思い出せませんで、即座に思い出せるのは、現代の歌人の作品より、下の二首です。
ふとももに西瓜の種をつけたまま畳の部屋で眠っています
作者は穂村弘さん。「水中翼船炎上中」にある短歌です。
この歌集は、回想の短歌がみな郷愁を誘うものとなっているのですが、この短歌も昭和レトロな雰囲気です。
今は、西瓜はカットスイカなど切られたものが主流ですが、家族の多かった時代には丸のまま買うことが多かったのです。
大きな櫛型に切ったスイカはフォークなども使わず手づかみで、今のように上品に食べるものではなかったので、部屋に種が散らばった憶えがあります。
あるいは、西瓜の種は海で遊んできた名残なのかもしれません。
子どもたちが遊び疲れて眠ってしまった、夏の光景が浮かんできます。
嫁として帰省をすれば待ってゐる西瓜に塩を振らぬ一族
もう一首の作者は本多真弓さん。歌集「猫は踏まずに」より。
昭和の食卓にあるスイカは、塩と一緒に供されるのが普通でした。
今は、「西瓜に塩」の定番も少なくなったように思います。少量のカットスイカなら、わざわざ塩を振るまでもないのでしょう。
「塩を振らぬ一族」が大時代的で面白いところです。
今日の日めくり短歌は、西瓜の日にちなむ短歌をお届けしました。
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