アララギ

お盆の墓参りの短歌 古泉千樫の作品より【日めくり短歌】

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墓参りはお盆にすることのひとつですが、今年は新型コロナの影響の他、酷暑のために延期した方もおられるかもしれませんね。

墓参りを歌に詠むときには、どのような場面や語彙が考えられるでしょうか。

きょうの日めくり短歌は、墓参りにちなむ短歌を、アララギ派の歌人古泉千樫の作品からご紹介します。

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み墓べの今朝の静けさひとりゐるわれの心は定まりにけり

古泉千樫(こいずみちかし)作

出典「川のほとり」

 

古泉千樫はアララギ派の歌人

古泉千樫はアララギ派の歌人で、伊藤左千夫の弟子にあたります。

この歌は、アララギを脱退した古泉千樫が、師である伊藤左千夫の墓参りに来た折のこと。

千樫はこの頃結核を発病、そこへ古くからの歌友とも袂を分かつことになり、孤独を感じて師であった伊藤左千夫を恃もうとしたものでしょう。

去りがてにこのおくつきに手をかけて吾は立ち居りひとりなりけり

にも、そのときの心持ちが伺えます。

アララギでは、伊藤左千夫と、他の盟友は師弟の不和となりましたが、千樫は、最後まで伊藤左千夫の悪口は言わなかったようで、私淑の姿勢には絶対のものがありました。

「よき友はかにもかくにも言絶えて別れゐてだによろしきものを」として、友との別れを肯定する千樫は、佐千夫の墓の前で心が落ち着く、それが「ひとりゐるわれの心は定まりにけり」の意味です。

この「ひとりゐる」は墓の前に一人でいるということと同時に、孤独に歌の道を一人歩もうということであったようです。

墓を表す言葉

墓を表す歌の言葉としては「み墓」「み墓べ」「おくつき」ほかに「おくつきどころ」などの言葉があります。

お墓参りに行かれた方は、字数を自由に使って、その体験を歌に詠んでみてくださいね。

他の古泉千樫の歌も参考に

ひさびさにみ墓へ行くと道すらも迷ふ心を持つがすべなさ

おくつきにささげまつると早春の寺の井戸水わが汲みにけり

いただきより水そそぎけりみ墓石さやけく濡れて光るしづけさ

 

きょうの日めくり短歌は、お墓参りにちなむ、古泉千樫の短歌をご紹介しました。

それではまた明日!

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