橘曙覧(たちばなあけみ)の亡くなった日は、きょう10月13日です。
江戸時代の歌人で「楽しみは」で始まる一連の短歌「独楽吟」が、大変良く知られています。
橘曙覧の有名な短歌と、橘曙覧がどんな人だったのかをご紹介します。
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読み :たのしみは まれにうおにて こらみなが うましうましと いいてくうとき
作者:橘 曙覧(たちばなあけみ または たちばなのあけみ)
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橘曙覧の短歌代表作「独楽吟」全52首
橘曙覧の忌日
今日10月13日は、江戸時代の歌人、橘曙覧(たちばなのあけみ)の亡くなった日です。
江戸時代の歌人で、「楽しみは」ではじまる一連の短歌「独楽吟」(どくらくぎん)がひじょうによく知られています。
クリントン大統領が橘曙覧の短歌をスピーチ
1994年、当時の明仁天皇、皇后美智子さまがアメリカを訪問した折、ビル・クリントン大統領が歓迎の挨拶の中で、「独楽吟」の下の歌
たのしみは朝おきいでて昨日まで無かりし花の咲ける見る時
を引用したスピーチを行い、橘曙覧が注目されるようになったという出来事があります。
クリントン大統領が引用した短歌英訳
その時の上の短歌英訳は、
It is a pleasure when rising in the morning I go outside and find a flower that has bloomed that was not there yesterday.
というものでした。
橘曙覧「独楽吟」代表作
独楽吟は全部で52首ありますが、その中での代表作の短歌としてよく知られているのは以下の歌です。
たのしみは妻子(めこ)むつまじくうちつどひ頭(かしら)ならべて物をくふ時
たのしみはまれに魚煮て兒等(こら)皆がうましうましといひて食ふ時
たのしみは空暖(あたた)かにうち晴(はれ)し春秋の日に出(い)でありく時
たのしみは心にうかぶはかなごと思ひつゞけて煙草(たばこ)すふとき
たのしみは銭なくなりてわびをるに人の来(きた)りて銭くれし時
「たのしみは」で始まる短歌は、どれも日常のささやかな幸福を詠ったものです。
一見、文字通り、さぞ面白おかしい人生を送ったのかというと、そうではなく、最後の歌を見れば、貧しい生活の中の「楽しみ」だからこそ、これらが大切にされたことがわかります。
『独楽吟』の全作と、特徴についてはこちらの記事に
橘曙覧の短歌代表作「独楽吟」54首
橘曙覧はどんな人?
橘 曙覧(たちばな あけみ)、1812年5月 - 1868年10月13日は、幕末期の歌人、国学者。
実家は、酢の製造をする商家であったようですが、家業を嫌って弟に家督を譲って隠遁。
本居宣長の孫弟子となり、学問や短歌を独学。門弟からの援助、寺子屋の月謝などで妻子を養い、生涯、清貧な生活を送りました。
身近な言葉で日常生活を詠む歌風であり、「独楽吟」では清貧の中で、家族の暖かさがこまごまと描かれています。
きょうの日めくり短歌は、橘曙覧の忌日にちなみ、橘曙覧の「独楽吟」の代表作短歌をご紹介しました。
それではまた!
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