万葉集

この里は継ぎて霜や置く夏の野に吾が見し草はもみぢたりけり 孝謙天皇

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この里は継ぎて霜や置く夏の野に吾が見し草はもみぢたりけり 孝謙天皇の万葉集の和歌の代表作品の、現代語訳、句切れや語句、品詞分解を解説、鑑賞します。

この歌は、植物のウイルス感染の最古の歌とされています。

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この里は継ぎて霜や置く夏の野に吾が見し草はもみぢたりけり

読み:このさとは つぎてしもやおく なつののに わがみしくさは もみぢたりけり

作者と出典

孝謙天皇 万葉集 4268

現代語訳

この里にはいつも霜がおりるのだろうか。夏の野辺に私が見た草は、秋の黄葉のように紅葉していた

語句と文法の解説

  • 霜や…「や」は係助詞 疑問または反語の意を表わす。気持ちの上では疑問条件のような働きをしている
  • 見し…「し」は過去の助動詞「き」の連用形
  • もみじ…「もみじ」は「もみづ」が基本形の動詞
  • たりけり…「たり+けり(詠嘆の助動詞)」

「たり」の解説

「たり」解説たり
(一)〔完了〕…た。…てしまった。▽動作・作用が完了した意を表す。
(二)〔存続〕
①…ている。…てある。…た。▽動作・作用が行われ、その結果が残っている意を表す。
②…ている。…てある。▽動作・作用が現在も続いている意を表す。
(三)〔並列〕…たり…たり。▽二つ以上の動作・作用を交互に行う意を表す。

句切れと修辞について

  • 2句切れ
  • 反語




 

解説と鑑賞

西暦752年の東大寺大仏開眼供養の行事後に、孝謙天皇が平城京の藤原仲麻呂の屋敷に立ち寄った時に見かけたヒヨドリバナを見て詠まれたもの。

下のような詞書がある。

天皇・大后共に大納言藤原家に幸(いでま)す日に、もみてる沢蘭(さわあららぎ)一株抜き取り、内侍佐々貴山君に持たしめ、大納言藤原卿と陪従(べいじゅ)の大夫(だいぶ)等とに遣し賜う御歌一首

現代語にすると

孝謙天皇と母の光明皇后が大納言藤原仲麻呂の邸宅を訪れた折に色づいた沢蘭(さわあららぎ)を引き抜いて仲麻呂と部下の大夫たちに賜った歌

となります。

ウイルス感染の植物の最後の歌

孝謙天皇が夏に見た色づいたヒヨドリバナは病気にかかっていたとの解説があり、その点でも貴重な歌とされています。

ヒヨドリバナという植物がウイルスに感染し、黄色の斑紋が浮かんだ様を詠んだものとされます。

この歌を天声人語欄で取り上げた朝日新聞では

「植物のウイルス病を詠んだ詩文として世界最古と目されています」(大阪府立大の望月知史准教授)

と解説されています。

孝謙天皇について

孝謙天皇 (こうけんてんのう)
718~770. 奈良時代の天皇。。聖武(しょうむ)天皇の皇女。母は光明(こうみょう)皇后。父の譲位をうけて,天平勝宝(てんぴょうしょうほう)元年即位。史上6人目の女性天皇で、天武系からの最後の天皇








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