万葉集

万葉集の歌一覧まとめと解説 現代語訳付き

更新日:

万葉集の和歌の中からすぐれた秀歌として代表的な和歌作品とその解説を一覧にまとめます。

万葉集の5千首のなかからの選りすぐりの短歌です。

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「万葉集」の和歌について


目次

万葉集は古代の歌集で、約5千首が収録されています。

秀歌と呼ばれる良い歌ももちろんたくさん含まれますが、それほど優れた歌ではない歌も含まれています。

優れた歌ばかりでない理由は、防人などの一般の人や、東歌という地方の特色を記録しようとした作品、民衆の間で歌謡として歌われていた歌なども収録されているため、いわば記録の意味合いもあったためでしょう。

 

万葉集の歌一覧と解説

万葉集のよく知られた有名な歌、学校教材に取り上げられる歌を、以下に一覧でご紹介します。

手っ取り早く、代表作20首だけを読みたいという時は 以下の記事をご覧ください

 

君待つと我が恋ひ居れば我が宿の簾動かし秋の風吹く

作者:額田王

現代語訳:

あなたを待って恋しく思っていたら、あなたと見まごうかのように私の家の簾を動かして秋風が吹くのです

解説ページ:

君待つと我が恋ひ居れば我が宿の簾動かし秋の風吹く

 

風をだに恋ふるは羨し風をだに来むとし待たば何か嘆かむ

作者:鏡王女

現代語訳:

あなたを待って恋しく思っていたら、あなたと見まごうかのように私の家の簾を動かして秋風が吹くのです

解説ページ:

風をだに恋ふるは羨し風をだに来むとし待たば何か嘆かむ

 

道にあひて咲まししからに降る雪の消なば消ぬがに恋ふといふ吾妹

作者: 聖武天皇

現代語訳:

あなたを待って恋しく思っていたら、あなたと見まごうかのように私の家の簾を動かして秋風が吹くのです

解説ページ:

道にあひて咲まししからに降る雪の消なば消ぬがに恋ふといふ吾妹

 

秋の日の穂田を雁がね暗けくに夜のほどろにも鳴き渡るかも

作者: 聖武天皇

現代語訳:

秋の日の穂田を刈るのではないが、その雁が、暗いのに夜明け近くに鳴き渡っているよ

解説ページ:

聖武天皇

秋の日の穂田を雁がね暗けくに夜のほどろにも鳴き渡るかも

 

よき人のよしとよく見てよしと言ひし吉野よく見よよき人よく見つ

作者:  天武天皇

現代語訳:

昔の良き人が、良いところだと、よく見て良いといった、この吉野をよく見よ。今の良き人、我が息子たちよ、よく見るがよい。

解説ページ:

よき人のよしとよく見てよしと言ひし吉野よく見よよき人よく見つ

 

石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも

作者:  志貴皇子

現代語訳:

岩をほとばりし流れる垂水のほとりのさわらびが、芽を出す春になったことだ

解説ページ:

石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも

 

秋の田のかりほの庵の苫をあらみわが衣手は露にぬれつつ

作者: 天智天皇

現代語訳:

秋の田の傍にある仮小屋の屋根を葺いた苫の目が粗いので、私の衣の袖は露に濡れてゆくばかりだ

解説ページ:

秋の田のかりほの庵の苫をあらみわが衣手は露にぬれつつ

 

春過ぎて夏きたるらし白妙の衣干したり天の香具山

作者:持統天皇

現代語訳:

春が過ぎて夏が到来したようだ 天の香具山に白い夏衣が干してあるのを見るとそれが実感できる

解説ページ:

春過ぎて夏きたるらし白妙の衣干したり天の香具山

万葉集と百人一首に共通する和歌の違い「春過ぎて夏きたるらし」

 

あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る

作者:額田王

現代語訳:

紫草の生えているこの野原をあちらに行きこちらに行きして、野の番人がみとがめるではありませんか。あなたがそんなに私に袖をお振りになるのを

解説ページ:

あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る

 

紫草のにほへる妹を憎くあらば人妻ゆゑに我れ恋ひめやも

作者:大海人皇子

現代語訳:

あの紫草のように匂いたつような美しいあなたを憎いと思うならば、人妻であるのに私がこんな風に袖を振るほど、恋い焦がれたりするものでしょうか

解説ページ:

紫草のにほへる妹を憎くあらば人妻ゆゑに我れ恋ひめやも

 

二人行けど行き過ぎ難き秋山をいかにか君がひとり越ゆらむ

作者:大伯皇女

現代語訳:

二人で行っても行き過ぎにくい秋山を、どのようにしてあの人は一人で越えているのだろうか

解説ページ:

二人行けど行き過ぎ難き秋山をいかにか君がひとり越ゆらむ

 

わが背子を大和へ遣るとさ夜更けて暁露に我が立ち濡れし

作者:大伯皇女

現代語訳:

あの人を大和へ返し送ろうと夜が更けて、暁の露に私は経ち濡れてしまったことだ

解説ページ:

わが背子を大和へ遣るとさ夜更けて暁露に我が立ち濡れし 大伯皇女

 

うつそみの人なる我や明日よりは二上山を弟と我が見む

作者:大伯皇女

現代語訳:

一人この世に生き続ける私は、明日からは弟の眠るあの二上山を弟として見続けよう

解説ページ:

うつそみの人なる我や明日よりは二上山を弟と我が見む

 

あしひきの山のしづくに妹待つと我立ち濡れぬ山のしづくに

作者:大津皇子

現代語訳:

山の雫にあなたが来るのを待っていて私は濡れてしまった その山のしずく

解説ページ:

あしひきの山のしづくに妹待つと我立ち濡れぬ山のしづくに

 

磯城島の大和の国は言霊の助くる国ぞま幸くありこそ

者:柿本人麻呂

現代語訳:

しきしまのやまとの国は言葉の霊力が物事をよい方向へ動かしてくれる国です、どうか私が言葉で申し上げることによって、どうぞその通り、無事でいて下さい

解説ページ:

磯城島の大和の国は言霊の助くる国ぞま幸くありこそ

 

八雲さす出雲の子らが黒髪は吉野の川の沖になづさふ

者:柿本人麻呂

現代語訳:

八雲の湧く出雲の娘子の黒髪が、吉野の川の沖に揺らめいている

解説ページ:

八雲さす出雲の子らが黒髪は吉野の川の沖になづさふ

 

大君は神にしませば天雲の雷の上に廬せるかも

作者:柿本人麻呂

現代語訳:

わが天皇は神でいらっしゃるので、天雲の雷の上に行宮(あんぐう)をおつくりになりたもうた

解説ページ:

大君は神にしませば天雲の雷の上に廬せるかも 

 

東の野に炎の立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ

作者:柿本人麻呂

現代語訳:

東の野に陽炎の立つのが見えて振り返ってみると月は西に傾いてしまった

解説ページ:

東の野に炎の立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ

 

あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む

作者:柿本人麻呂

現代語訳:

山鳥の長く垂れた尾のように長い長い夜を、寂しく一人寝をするのであろうか

解説ページ:

あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む

 

松浦川七瀬の淀は淀むとも我は淀まず君をし待たむ

作者:大伴旅人

現代語訳:

松浦川の七瀬の淀は淀もうとも、私はためらわずに、君を待ち続けます

解説ページ:

松浦川七瀬の淀は淀むとも我は淀まず君をし待たむ

 

験なきものを思はずは一坏の濁れる酒を飲むべくあるらし

作者:大伴旅人

現代語訳:

何の甲斐もない物思いをするくらいなら、一杯の濁り酒を飲むべきであるらしい

解説ページ:

験なきものを思はずは一坏の濁れる酒を飲むべくあるらし

 

我が盛りまたをちめやもほとほとに奈良の都を見ずかなりなむ

作者:大伴旅人

現代語訳:

私の元気だった時代が、またもどってくることがあろうか。 ひょっとして奈良の都を見ずにおわるのではないだろうか

解説ページ:

我が盛りまたをちめやもほとほとに奈良の都を見ずかなりなむ

 

我妹子が見し鞆之浦の室の木は常世にあれど見し人ぞなき

作者:大伴旅人

現代語訳:

わが妻が見た鞆の浦のむろの木は今も変わらずにあるが、見た妻はもはや世にはいない

解説ページ:

我妹子が見し鞆之浦の室の木は常世にあれど見し人ぞなき大伴旅人「妻の短歌」11首

 

我が園に梅の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも

作者:大伴旅人

現代語訳:

わが園に梅の花が散る。空から雪が流れてくるのだろうか

解説ページ:

「我が園に梅の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも」解説

 

石麻呂に吾れもの申す夏痩せによしといふものぞ 鰻とり食せ

作者:大伴家持

現代語訳:

石麻呂に私は申します。夏痩せに良いという、鰻を採ってお食べなさい

解説ページ:

石麻呂に吾れもの申す夏痩せによしといふものぞ 鰻とり食せ

 

うらうらに照れる春日にひばり上がり心悲しもひとりし思へば

作者: 大伴家持

現代語訳:

うららかに照っている春日の中、ひばりが空に上がり、心は悲しい。一人もの思いをしていれば

解説ページ:

うらうらに照れる春日にひばり上がり心悲しもひとりし思へば

 

かきつはた衣に摺り付けますらをの着襲ひ狩りする月は来にけり

作者: 大伴家持

現代語訳:

かきつばたの花で、衣を摺り染めにして、朝廷にお仕えする立派な男たちが着飾って狩りをする、月が来たことだ

解説ページ:

かきつはた衣に摺り付けますらをの着襲ひ狩りする月は来にけり

 

ふりさけて三日月見れば一目見し人の眉引き思ほゆるかも

作者: 大伴家持

現代語訳:

かきつばたの花で、衣を摺り染めにして、朝廷にお仕えする立派な男たちが着飾って狩りをする、月が来たことだ

解説ページ:

かきつはた衣に摺り付けますらをの着襲ひ狩りする月は来にけり/大伴家持

 

新しき年の初めの初春の今日降る雪のいやしけ吉事

作者: 大伴家持

現代語訳:

新しい年の初めの初春の今日降る雪のように、積もれよ、良いことが

解説ページ:

新しき年の初めの初春の今日降る雪のいやしけ吉事/大伴家持/万葉集解説

 

春の野に霞たなびきうら悲しこの夕かげに鶯鳴くも

作者: 大伴家持

現代語訳:

春の野に霞がたなびいてもの悲しい。この夕方の光の中で鶯が鳴くよ<

解説ページ:

春の野に霞たなびきうら悲しこの夕かげに鶯鳴くも 大伴家持

 

 

春の苑紅にほふ桃の花下照る道に出立つをとめ

作者: 大伴家持

現代語訳:

春の園が紅に輝いている桃の花の下まで輝く道にたたずむ乙女よ

解説ページ:

春の苑紅にほふ桃の花下照る道に出立つをとめ 大伴家持『万葉集』

 

見まく欲り思ひしなへにかづらかげかぐはし君を相見つるかも

読み:みまくほり おもいしなえに かずらかけ かぐわしきみを あいみつるかも

作者と出典

大伴家持 『万葉集』 巻18-4120

歌の意味と現代語訳

逢いたいと思っていた折から かずら飾りの美しいあなたにお会いできました。

解説ページ:

見まく欲り思ひしなへにかづらかけかぐはし君を相見つるかも 

 

磐代の浜松が枝を引き結びま幸くあらばまたかへり見む

作者: 有間皇子

現代語訳:

磐代の浜松の枝を引き結んで、幸い無事でいられたら、また立ち返って見よう

解説ページ:

磐代の浜松が枝を引き結びま幸くあらばまたかへり見む

 

家にあれば笥に盛る飯を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る

作者:有間皇子

現代語訳:

家にいれば器に盛る飯を、旅の途中なので椎の葉に盛るのだ

解説ページ:

家にあれば笥に盛る飯を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る

 

紫陽花の八重咲くごとく八つ代にいませ我が背子見つつ偲はむ

者:橘諸兄

現代語訳:

紫陽花が八重に咲くように、あなたさまも八代も末永くお元気であられるようにこの花を見ながらお祈り申し上げます

解説ページ:

紫陽花の八重咲くごとく八つ代にいませ我が背子見つつ偲はむ

 

 

多摩川にさらす手作りさらさらに何そこの児のここだ悲しき

作者:作者不詳

現代語訳:

多摩川にさらす手作り布の”さら”ではないが、さらさらにどうして子のこのことを、こんなにも甚だしく愛しく感じるのだろうか

解説ページ:

多摩川にさらす手作りさらさらに何そこの児のここだ悲しき

 

 

巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつ偲はな巨勢の春野を

作者:坂門人足

現代語訳:

巨勢山のつらつら椿を、じっくりとつらつと見ながら偲ぼうよ、巨勢山の春を

解説ページ:

巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつ偲はな巨勢の春野を/万葉集の椿の短歌7首

 

われもはや安見児得たり皆人の得かてにすとふ安見児得たり

作者:藤原鎌足

現代語訳:

私は安見児を得た 皆の者が得難いとしている安見児を得た

解説ページ:

われもはや安見児得たり皆人の得かてにすとふ安見児得たり

 

いづくにか船泊すらむ安礼の崎こぎ回み行きし棚無し小舟

作者:高市黒人 万葉集1巻・58

現代語訳

今、安礼の崎のところを漕ぎめぐっていった、あの舟棚の無い小さな船はいったいどこに泊まるのだろうか

解説ページ:

いづくにか船泊すらむ安礼の崎こぎ回み行きし棚無し小舟

 

古の人に我れあれや楽浪の古き都を見れば悲しき

作者:高市黒人

現代語訳

今、安礼の崎のところを漕ぎめぐっていった、あの舟棚の無い小さな船はいったいどこに泊まるのだろうか

解説ページ:

古の人に我れあれや楽浪の古き都を見れば悲しき

 

恋ひ恋ひて逢へる時だに愛しき言尽くしてよ長くと思はば

作者:大伴坂上郎女

現代語訳

恋い焦がれてようやくお会いしたときだけでも、せめて愛しい言葉のありったけを言い尽くして聞かせてください。
二人の間が長く続くようにとお思いになるのなら

解説ページ:

恋ひ恋ひて逢へる時だに愛しき言尽くしてよ長くと思はば

 

わが背子と二人見ませば幾許かこの降る雪の嬉しからまし

作者:光明皇后

現代語訳

わが夫の君ともし二人で見るのでしたら、どんなにかいま降っているこの雪が喜ばしく思われることでしょうに

解説ページ:

わが背子と二人見ませば幾許かこの降る雪の嬉しからまし

 

銀も金も玉も何せむにまされる宝子にしかめやも

作者:山上憶良

現代語訳

銀も金も玉も、いかに貴いものであろうとも、子どもという宝物に比べたら何のことがあろう

解説ページ:

銀も金も玉も何せむにまされる宝子にしかめやも/山上憶良「子等を思ふ歌」

 

憶良らは今は罷らむ子泣くらむそれその母も我を待つらむそ

作者:山上憶良

現代語訳

私、憶良はもう退出しましょう。家では、今ごろ子供が泣いているでしょう。その子を負っている母もきっと私を待っているでしょうから

解説ページ:

銀も金も玉も何せむにまされる宝子にしかめやも/山上憶良「子等を思ふ歌」

 

 

我がやどの花橘にほととぎす今こそ鳴かめ友に逢へる時

作者:大伴書持

現代語訳

我が家の橘の木にとまっているほととぎすよ、鳴いておくれ。友に会っている今この時に

解説ページ:

我がやどの花橘にほととぎす今こそ鳴かめ友に逢へる時

 

防人に行くは誰が背と問ふ人を見るがともしさ物思ひもせず

作者:作者不詳 防人歌

現代語訳

「防人にいくのは 誰の旦那さんなの」と聞いている人がうらやましい。なんの憂いもないでしょうから

解説ページ:

防人に行くは誰が背と問ふ人を見るがともしさ物思ひもせず

 

父母が頭かき撫で幸くあれていひし言葉ぜ忘れかねつる

作者:作者不詳 防人歌

現代語訳

父母が私の頭を撫でてと無事であれと言った言葉が忘れられない

解説ページ:

父母が頭かき撫で幸くあれていひし言葉ぜ忘れかねつる/防人の歌

 

信濃道は今の墾道刈株に足踏ましなむ沓はけわが背

作者:作者不詳  東歌

現代語訳

信濃路は今切り開いたばかりの道です。切り株で馬に足にけがをさせてはいけません。靴を履かせなさい、あなた

解説ページ:

信濃道は今の墾道刈株に足踏ましなむ沓はけわが背 万葉集

 

他の万葉集の作者未詳の歌

磯城島の日本の国に人二人ありとし思はば何か嘆かむ 作者未詳

魂合はば相寝むものを小山田の鹿猪田禁る如母し守らすも 作者未詳

雷神の少し響みてさし曇り雨もふらぬか君を留めむ 作者不詳

庭草に村雨降りてこほろぎの鳴く声聞けば秋づきにけり 作者未詳

桜花咲きかも散ると見るまでに誰れかもここに見えて散り行く 作者不詳

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