和泉式部

黒髪の乱れも知らずうち臥せばまづかきやりし人ぞ恋しき 和泉式部

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黒髪の乱れも知らずうち臥せばまづかきやりし人ぞ恋しき

和泉式部の有名な和歌、現代語訳と句切れや修辞法の解説と鑑賞を記します。

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黒髪の乱れも知らずうち臥せばまづかきやりし人ぞ恋しき

現代語の読み:くろかみの みだれもしらず うちふせば まずかきやりし ひとぞこいしき

作者と出典

作者:和泉式部(いずみしきぶ)

出典:後拾遺和歌集恋三 755

現代語訳:

黒髪の乱れるのもかまわずにこうして横たわっていると、この髪を手でかきあげた人が恋しく思われる

・・

語と文法

語と文法の意味や解説です

  • 知らず… 「ず」は、打消の助動詞「ず」。
    「知る」は〔打消の語を伴って〕「気にする。かまう」の意味。
  • 基本形「うち臥す」 意味は横になる 寝る
    「ば」は、順接仮定条件 意味は「…すると」
  • まづ…「まず」に同じ 「初めに。まっさきに。第一に」
  • かきやりし…「し」は、過去の助動詞「き」の連用形

係り結び「ぞ…恋しき」品詞分解

  • ぞ…強意の助詞
  • 恋しき…「恋しき」は連体形。基本形は「恋し」

句切れと修辞法

  • 句切れなし
  • 係り結び




解説

和泉式部の代表的な和歌作品の一つ。

「黒髪の乱れ」のかもしだすもの

女性の象徴ともいえる長い髪を用いて、恋に乱れる心の状態を「黒髪の乱れ」とする表現は待賢門院堀河の「ながからむ心もしらず黒髪の乱れて今朝は物をこそ思へ」など、他にも詠まれている。

髪の乱れは、恋人の記憶のよすがであり、恋人を激しく恋慕する様子がうかがえる。

また、髪だけではなく寝乱れた女性の肢体を思わせる点で、絵画的な効果がある。

「黒髪の乱れ」そのものが、心の乱れを視覚的に表しているが、さらにそこに「知らず」がつくことで、一層強い乱れ、思いの強さがうかがえる。

「うち臥す」というのは、単に就寝することではなく、会えない相手を思って心の弱った状態でもあるだろう。

「うち臥す」の「うち」は接頭語だが、相手の過去の動作「かきやる」にも相似する呼応がある。

和泉式部の作風の特徴

和泉式部の恋愛の歌は、精神的な思慕にとどまらず、肉体的な愛を連想させる描写を大胆に用いるところにある。

当時としては、これを女性の側から提示するというのは、他の女流歌人にはなく、和泉式部に特徴的で個性的な点といえる。

藤原定家の本歌どり

この歌への返歌として、藤原定家が詠んだ黒髪の歌が新古今集に収録されている

かきやりしその黒髪のすぢごとにうちふす程は面影ぞたつ
新古今 巻第十五 恋歌五 1390

意味:横になるときはいつも掻きあげたその黒髪のひと筋ひと筋に、あなたの面影が見えるようです

和泉式部はどんな歌人

和泉式部 (いずみしきぶ)

生没年不詳 平安時代中期の歌人。
中古三十六歌仙の一人。大江雅致(まさむね)の娘。和泉守橘道貞と結婚し小式部内侍を産む。また、為尊(ためたか)親王、敦道(あつみち)親王と恋愛し、のち藤原保昌と再婚するなど一生を恋愛に終始し、情熱的な歌をよんだ。「和泉式部集」「和泉式部日記」がある。。娘は小式部内侍だが、万寿2年(1025)に先立たれている。

。―コトバンクより

和泉式部の他の和歌

物おもへば沢の蛍も我が身よりあくがれ出づる魂かとぞみる

あらざらむこの世のほかの思ひ出に今ひとたびの逢ふこともがな

今はただそよその事思ひ出でて忘るばかり憂きふしもがな

捨て果てむと思ふさへこそかなしけれ君に馴れにし我が身とおもへば

今宵さへあらばかくこそ思ほえめ今日暮れぬまの命ともがな

暗きより暗き道にぞ入りぬべき遥かに照らせ山の端の月

白露も夢もこの世もまぼろしもたとへていへば久しかりけり

とどめおきてだれをあわれと思ふらむ子はまさるらむ子はまさりけり








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