古今・新古今集

み吉野は山も霞みて白雪のふりにし里に春はきにけり 藤原良経

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み吉野は山も霞みて白雪のふりにし里に春はきにけり

藤原良経の新古今和歌集の巻頭歌である有名な和歌、現代語訳と掛詞など修辞法の解説と鑑賞を記します。

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み吉野は山も霞みて白雪のふりにし里に春はきにけり

読み:みよしのは やまもかすみて しらゆきに ふりにしさとに はるはきにけり

作者と出典

作者:藤原良経(ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだいじん)

出典:新古今和歌集の巻頭歌

現代語訳:

吉野は山も霞んで、少し前まで白雪の降っていた里に、春がやって来たのだなあ

・・

語と文法

  • み吉野…地名
  • 山も霞みて…春霞。春になると靄がかかったように見えることで季節の到来を知る

「ふりにし」の品詞分解

  • 「ふりにし」…「ふり」は「降り」と「古り」の両方がある掛詞。「に」は完了の助動詞「ぬ」の連用形 「し」は過去の助動詞「き」の連用形
  • 里…人の住む麓の村里

来にけり」の品詞分解

基本形「来(く)」 「に」は完了の助動詞「ぬ」の連用形 「けり」は詠嘆の助動詞「…だなあ」と訳すことが多い

句切れと修辞法

  • 句切れなし
  • 掛詞




解説

藤原良経の新古今集の最初の歌、巻頭歌。「治承題百首」の一首。「立春」との言葉が添えてある。

壬生忠岑の「春たつといふばかりにやみ吉野の山もかすみてけさは見ゆらむ」を本歌取りした歌で、古今集の巻頭歌が、「年の内に春は来にけりひととせをこぞといはんことしとやいはん 在原元方」で、同じく春の到来を詠っている。

一首の情景

春の霞が吉野山にかかっているのを見て、春の到来を知るというのが一首の主題。

ポイントは、「白雪のふりにし里」の部分にある。

雪が降っていたというのは、回想の情景だが、白い雪に包まれる里の風景をほうふつとさせるが、この光景は冬の回想であるにもかかわらず、ほのぼのとしている。

「ふりにし」は「降る」の他、「古い」の意味での「古りにし」で、吉野の里の由緒あるたたずまいを表す掛詞となっている。

藤原良経の歌は、哀傷や無常、ある種の虚無感を詠ったものが多いが、この歌は、明るい春の到来を詠う。

塚本邦雄一首評

これについて解説で塚本邦雄は

新古今巻頭第一首として知られる名歌ではあるが、この頃の百首歌のただならぬ眺めの中におけばその静けさはむしろ装いであり、後年自讃歌とするほどの晴れを意識したものと思われる。

と記している。

藤原良経はどんな歌人

鎌倉前期の公卿・歌人。忠通の孫で、九条兼実の子。従一位摂政太政大臣に至り、後京極摂政、中御門殿と称された。藤原俊成・定家を後援し、新古今調樹立の基礎を築く「花月百首」「六百番歌合」など多くの歌合を主催して、歌壇の育成に貢献した。「新古今和歌集」の仮名序を執筆し、巻頭歌の作者ともなった。―コトバンクより

藤原義経の他の和歌

かへる雁いまはの心ありあけに月と花との名こそ惜しけれ(新古62)

み吉野は山も霞みて白雪のふりにし里に春はきにけり(新古1)








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