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舞へ舞へ蝸牛舞はぬものならば『梁塵秘抄』現代語訳と解説

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『梁塵秘抄』の代表的な今様の歌より、「舞へ舞へ蝸牛舞はぬものならば馬の子や牛の子に蹴えさせてん」の現代語訳と解説を記します。

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『梁塵秘抄』について

『梁塵秘抄』とは、後白河院が作った平安時代後期の歌謡集でで、「仏は常にいませども」は、それに収録されている今様というジャンルの歌の歌詞の一つです。

『梁塵秘抄』読みりょうじんひしょう
作った人・編纂者後白河院(後白河法皇)
作られた時期と時代平安時代後期 (12世紀)
収録された歌謡のジャンル今様
梁塵秘抄の全巻類推で全20巻

 

『梁塵秘抄』の有名で代表的な歌

『梁塵秘抄』の有名で代表的な歌は3つありますが、この歌はそのうちの一つです。

舞へ舞へ蝸牛 舞はぬものならば 馬の子や牛の子に蹴えさせてん 踏み破らせてん 実に美しく舞うたらば 華の園まで遊ばせん

―梁塵秘抄408 4句神歌・雑歌

 

現代語での読み:

まえまえかたつむり まわぬのものならば うまのこやうしのこに くえさせてん ふみわらせてん まことにうつくしくまうたらば はなのそのまであそばせん

「舞へ舞へ蝸牛」の現代語訳

舞えよ蝸牛。舞わないなら、馬の子や牛の子に蹴らせてしまうぞ。踏み割らせてしまうぞ。

ほんとうに可愛らしく心惹かれるように舞ったなら、花園に遊ばせてあげよう

 

語句の解説

・「舞う」の意味は、蝸牛が触覚を出し入れする様子を指す

・蹴えさせてん…「蹴う」が基本形 「蹴る」の古語

・てむ は連語 「てしまおう」との強い意志を表す。

・遊ばせん 「遊ばせる」+意志を表す助動詞「む」

解説

『梁塵秘抄』の四句神歌「雑」の中の歌で、多くわらべ歌と解説されています。

蝸牛の「舞う」とは、触覚を出すことで、「角を出せ」と虫に呼びかける歌です。

蝸牛の別名「まいまい」は、この「舞う」、または、蝸牛の殻の巻きからきているといわれ、「舞う」は蝸牛に縁のある言葉と言えます。

「舞わなければ蹴る」の結末

このような脅しは、子どもらしい表現でもあり、「ひどいめにあわせるぞ」との同じ結末は、他仁も古くからある童謡に多く見られます。

「蝸牛」の他にも「馬の子」「牛の子」と「子」や「華の園」が続くあたり、これも演者が多く遊女たちとはいえ、童心に帰ったかのような感じがあります。

「ん」のリズム

梁塵秘抄の歌、今様は実際に声に出して謡いながら踊るための歌詞なので、いずれもリズムを考えられて作られていますが、この歌は特に、

蹴えさせてん 踏み破らせてん 遊ばせん

と、各語の音韻が揃えられています。

「舞う」のは蝸牛だけか

しかし、この歌を歌っているのは、「歌いながら踊る」ことを生業としている人たち、その時代には傀儡(くぐつ)、白拍子(しらびょうし)などと呼ばれた遊女立ちです。

彼らが、蝸牛の「舞い」に自分たちの踊り、そして、踊りによって気を引いた後の、遊女としての夜の接待をも含めていなかったとはいえません。

 

他に、「遊びをせんとや」は以下の記事に記しています。

関連記事:
遊びをせんとや生まれけむ『梁塵秘抄』の遊びの本当の意味

梁塵秘抄の本のおすすめ

『梁塵秘抄』の有名な歌がコンパクトにわかりやすく解説されています。

ビギナー向け古典のシリーズ本、どの本もおすすめです。







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