蛇行する川には蛇行の理由あり急げばいいってもんじゃないよと 俵万智 意味と解説  

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蛇行する川には蛇行の理由あり急げばいいってもんじゃないよと 俵万智 意味と解説

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蛇行する川には蛇行の理由あり急げばいいってもんじゃないよと 中学校の教科書に掲載されている、俵万智さんの有名な短歌代表作品の現代語訳と句切れ、字余りや表現技法について解説します。

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俵万智短歌代表作まとめ

蛇行する川には蛇行の理由あり急げばいいってもんじゃないよと

読み:だこうする かわにはだこうの りゆうあり いそげばいいって もんじゃないよと

作者:
俵万智 『チョコレート革命』

現代語訳と意味

蛇行をなしてゆっくり流れる川には、それだけの理由がある。急いで流れればいいというものではないと教えてくれているようだ

現代語、および口語短歌なので、現代語訳はほぼそのままです。

語の意味と文法解説:

・蛇行…河川が曲がりくねって流れることをいう

・理由あり…「あり」は「在り・有り」が終止形 意味は「ある」。

表現技法と句切れなど:

・3句切れ

・文語(古い言葉である古語)と口語の併用 (以下に解説)

・倒置と擬人化

・句またがり

解説と鑑賞:

俵万智の歌集『チョコレート革命』に収録された歌。

歌の背景

作者は、この時に婚外恋愛の関係にあって、相手との関係や、恋愛の目的、自分の在り方などを考えていたと推測される。

文語と口語の併用

俵万智は口語短歌の先駆者であるが、この歌は、文語と口語の併用がみられる。

「蛇行する川には蛇行の理由あり」と、文語の動詞の「あり」までが文語体で、それ以下の下句は口語である。

特に、「もんじゃない」は「ものじゃない」に比べると、さらに砕けた日常的に使われtる言い方であることが強調されている。

この部分は、話し言葉をそのまま採録したように記されており、「急げばいいってもんじゃないよ」までを、発語としてかぎかっこに入れることもできる

すなわち、これは、作者の想像する、擬人化された川の発する言葉なのだ。

作者が「理由あり」と提示したものを、川が「その通り、だから蛇行しているんだよ」と補足する会話のような構成となっている。

「蛇行」の意味

蛇行する川は流れは緩やかで、上の水が下まで流れるのには時間がかかる。

つまり、川は急いではおらず、蛇行を含めて自らの石で主体的に流れているというのが作者の味方なのである。

流れることそれ自体を川は急いではいない、または、海にたどり着くのが川のゴールならば、川はそれも急いでいない。

そこから、作者は、蛇行する川の流れを、自分の在り方に重ねようとしている。

「いいってもんじゃないんだよ」のやや乱暴ともいえるいい方は、この部分が、川を主語にした川の発する言葉でありながら、実は作者の自分への訓戒であるところからくるだろう。

やや照れのようなものが感じられるので、あえて言葉を砕いて使うというのも、この世代の人の特徴と言えるかもしれない。

俵万智プロフィール

俵万智(たわらまち)1962年大阪府門真市生まれ。

早稲田大学在学中より短歌を始める。佐佐木幸綱に師事。「心の花」所属。1987年、第一歌集『サラダ記念日』(河出書房新社)を出版、260万部を越えるベストセラーになり、第32回現代歌人協会賞受賞。歌集のほか、小説『トリアングル』、エッセイ『あなたと読む恋の歌百首』『百人一酒』など著書多数。

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