イタリア料理の日にちなんで、オリーブやピザ、ワイン、スパゲティなどのイタリア料理に関する短歌をご紹介します。
イタリア料理の日とは
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9月17日はイタリア料理の日。
イタリア語で「料理」を意味する「クチーナ(CUCINA)」を917と読む語呂合わせから日本イタリア料理協会が制定しました。
イタリア料理の短歌
イタリア料理の短歌として第一に思い出すのは、斎藤茂吉の下の歌です。
黒貝のむきみの上にしたたれる檸檬の汁は古詩にか似たる
作者:斎藤茂吉 歌集『遠遊』
ナポリに行ったときに斎藤茂吉が詠んだ歌で、ムール貝か何かの上にレモンを絞って食べた、その場面ですね。
今ならさほど珍しくはないのですが、戦前のことで当時はまだ洋食自体が珍しかったことでしょう。
これは、斎藤茂吉が自分で食事をした時の歌かというと、作者茂吉がこれをレストランで食べたという説の他に、ナポリの市場で見かけた情景を詠んだものという説もあります。
酒蔵に白葡萄酒を飲むときはさびしく過ぎし一年おもふ
作者:斎藤茂吉 歌集『遠遊』
こちらも斎藤茂吉の留学中の歌。
白葡萄酒というのは、もちろん、イタリア料理につきものの白ワインのことですね。
三十代日々熟れてあれこの夜のロゼワインわれを小花詰めにす
作者は松平盟子さん。
作者はワインの好きな方と見えて、ワインの短歌を多く詠まれていますが、こちらは大人の雰囲気の歌。
ワインの熟成と自らの年代を重ねています。
スパゲティの最後の一本食べようとしているあなた見ている私
イタリア料理と言えばパスタ。
俵万智『サラダ記念日』にある作品。
「イタめし」というのが流行語になるより前の歌でしょうか。
恋人たちの食事風景、スパゲティはやはりおしゃれな食べ物と言えますね。
スパゲティ素手でつかんだ日のことを鮮明に思い出しまちがえる
こちらは現代の歌人、笹井宏之の作品。
4句まではわかるのですが、「まちがえる」は日付なのか、他の何を間違えるのかが知りたいですね。
不思議な雰囲気と内容の歌です。
オリーヴのあぶらの如き悲しみを彼の使徒もつねに持ちてゐたりや
作者は再び斎藤茂吉。
オリーブオイルのことですが、これは調理に使うのではなくて、香油としても用いられていたようです。
当時の油は高級品だったようです。
注文した通りのピッツァが届くだろう悪役が死をたまはる頃に
作者は魚沼晋太郎。
イタリア料理の最後はピザ。
出前ならぬ宅配のピザはもはや当たり前になりましたが、そのタイミングが上の通り。
ホームビデオを見ながら食べるのでしょう。
いまならばウーバーイーツの配達もありますね。
今日は イタリア料理の日にちなみ、イタリア料理とその食材を詠んだ短歌をご紹介しました。
それではまた!