水無月の夏越しの祓する人はちとせの命のぶというなり 和歌の意味  

広告 季節の短歌

水無月の夏越しの祓する人はちとせの命のぶというなり 和歌の意味

2023年6月27日

※当サイトは広告を含む場合があります

「水無月の夏越しの祓する人はちとせの命のぶというなり」は夏越の祓いの茅の輪くぐりりの時に唱えるとされる和歌です。

神社の茅の輪のところに記載さ入れていて、お参りをした時に目にした方も多いでしょう。

この歌の意味や作者、由来についてお伝えします。

茅の輪くぐりとは

スポンサーリンク




茅の輪くぐりというのは、日本の伝統的な神事や行事の一つで、主に夏の季節に行われることが多いです。

茅の輪くぐりは、新たなる出発や厄除け、無病息災を祈願するために行われる儀式です。

一般的には、茅の輪と呼ばれる特殊な形状をした輪を作り、参加者がその輪をくぐるという形式で行われます。

茅の輪の「茅」は植物のこと

茅の輪の読み方は「ちのわ」で、「茅」は茅(かや)という植物を指します。

茅の輪は、茅(かや)という植物の茎を束ねて作られます。

茅は古来から日本の風味や魔除けの象徴とされており、その力を借りて邪気を払い、福徳を呼び込むと考えられています。

輪の形状は円形や門の形をしており、これをくぐることで身体や心の浄化が行われると信じられているのです。

茅の輪くぐりの方法

茅の輪くぐりは、神社や寺院で行われることが一般的です。

6月30日の夏越の祓いの日には神社各所に画像のような茅の大きな輪が設置されて、その輪の中を無病息災や厄除け、願い事の成就などを祈りながら八の字にくぐるのが茅の輪くぐりです。

茅の輪くぐりの歴史

茅の輪くぐりの起源ははっきりしていませんが、古代から行われており、神社と寺院の両方で行われています。

茅の輪くぐりの和歌

茅の輪くぐりの時には唱える言葉が2つあります。

一つは

「祓へ給ひ 清め給へ 守り給ひ 幸へ給へ(はらえたまい きよめたまえ まもりたまい さきわえたまえ)」

これは、茅の輪くぐりの時だけでなく、神社にお参りやお祈りをするときにいつも使われる言葉です。

もう一つ、茅の輪くぐりの時に唱える和歌が次のものです。

「水無月の夏越しの祓する人はちとせの命のぶというなり」

読みは「みなづきの なごしのはらえ するひとは ちとせのいのち のぶというなり」というものです。

この歌の意味は

6月の夏越の祓いをする人は長く長く命がのびるといいますよ

というもの。

水無月というのは旧暦の6月、当時の気候で梅雨が明けたかんかん照りのことを言ったそうです。

「ちとせ」は「千年」のことですが、千年生きるはずもなく、これは「長い」という意味の慣用的な数字です。

和歌の品詞分解

「命のぶ」の「のぶ」は、現代語の「伸びる」の古語の基本形が「伸ぶ・延ぶ」です。

意味はそのまま「命が延びる」です。

それに「という」とつくので、これは伝聞です。そのように言われていますよという意味です。

「なり」は現代語の「だ」とか「です」と同じ断定の助動詞です。

思ふことみな尽きねとて麻の葉を切りに切りても祓ひつるかな

こちらの歌は、神社で茅の輪くぐりの時に唱えるものとして伝えられるもう一つの和歌です。

意味は

水無月の夏越の祓いに悩みが皆尽きてしまえと、麻の葉を切りに切ってお祓いをいたしました

という内容です。

一首目とは違い、単に長生きするというのではなく、悩みがなくなって幸せになる、そのお祓いをしたというのです。

現代では長生きをすることは、古代に比べて難しいことではなくなりましたので、こちらの方が現代人の今の気持ちにはあっていると言えますね。

茅の輪くぐりの和歌の作者

茅の輪くぐりの最初の歌は、拾遺和歌集に収録されています。

拾遺和歌集は、1004年頃に成立したとされる和歌集です。

関連記事:
拾遺和歌集の代表作一覧 現代語訳付き

作者は「よみ人知らず」となっていますので、不明ということです。

夏越の祓いの和歌の作者は和泉式部

そして、二首目の「思ふことみな尽きねとて麻の葉を切りに切りても祓ひつるかな」の作者は和泉式部です。

出典は、後拾遺和歌集1206番。

さては思うことというのは恋の悩みかと思いきや「みな尽きね」は、「皆尽きてしまえ」の意味ですが、「水無月」への掛詞であり、「祓ひ」からやはり夏越の祓いを詠んだものです。

麻は、神社でよく見かける弊(へい)に使われる植物で、麻は霊力を持っていると考えられており、その玉串で撫でてお祓いをするそうです。

和泉式部も遠い昔に夏越の祓いで、悩みを振り切ろうとしていたのですね。

きょうの日めくり短歌は夏越の祓いににちなみ、茅の輪くぐりと夏越の和歌をご紹介しました。

それでは!

・日めくり短歌一覧はこちらから→日めくり短歌

映画も本も音楽も無料 !

  • 学生の方はPrimeStudentで映画・音楽聴き放題
  • 本200万冊以上が読み放題
  • お急ぎ便無料利用
  • 無料期間内にキャンセル可

今すぐ申し込む

6か月無料




-季節の短歌
-

error: Content is protected !!