鈴木美紀子さんの短歌集『風のアンダースタディ』を翻訳家、金原瑞人さんがご自身のブログで紹介されていました。
たまたまアマゾンで無料で読むことができました。アマゾンで無料で読める本と利用の仕方については、記事下にご紹介します。
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鈴木美紀子『風のアンダースタディ』
この辺は海だったんだというように思いだしてねわたしのことを
目薬がするりと眼(まなこ)を逸れてゆきわたくしだけがとり残されて
きみはまたわたしの角を折り曲げるそこまで読んだ物語として
「え、こんな場面できみは泣くんだ」とわたしの夢を盗み見たひと
「君にはちょっと難しかったかな?」先生は人差し指でわたしを消した
わたしからはみ出したくて真夜中にじわりじわりと伸びてゆく爪
翻訳家、金原瑞人さんがご自身のブログ「金原瑞人 近況報告」で紹介している、鈴木さんの歌です。
鈴木美紀子の『風のアンダースタディ』(書肆侃々房)という歌集がびっくりするくらいよかった。
いや、本当にびっくりした。
と率直に感想を述べておられます。
鈴木美紀子さんプロフィール
鈴木さんは 東京在住。2009年の春から新聞歌壇等へ投稿を始め、同年の秋、未来短歌会に入会。
現在は加藤治郎に師事して、短歌を投稿されておられるようです。
2010年からは、雑誌「ダ・ヴィンチ」の「短歌ください」にも投稿。2015年に同人誌「まろにゑ」に参加。その後『風のアンダースタディ』を上梓されました。
鈴木さんの短歌の特徴
上の金原瑞人さんの表す短歌の特徴はというと
「わたし」を歌ったものが多く、その「わたし」が尋常なわたしではなく、かといって異常なわたしでもない。うわー、こんな歌読んじゃった、どうしよう、とうつむいて、年甲斐もなくはにかんで、微笑んでしまいそうな、そんな「わたし」たちなのだ。―「金原瑞人 近況報告」より
とのこと。
タイトルの「アンダースタディ」とは代役との意味があるそうです。
「他にもセンスのよいユーモラスな歌」
ほしいのは「トイレの電気点けっぱなし!」と叱ってくれるアンドロイド
さくらにも運命はありあんぱんのへそにすわってしっとりと咲く
や、それから金原さん好みであるという
これ以上きみに嘘をつけないと雨は霙に姿を変えた
金原瑞人さんの挙げている歌の中で、私自身がとても好きなものは
です。
歌集が読めるサービス
今回、鈴木美紀子さんの歌集『風のアンダースタディ』は、AmazonのKindle unlimited に入っていたので、無料で読むことができました。
たまたま見つけられて、読むことができてとてもよかったです。
他には、木下龍也さん短歌作品集『つむじ風ここにあります』『きみを嫌いな奴はクズだよ』
まだ記事に書いていませんが、岡野大嗣さんの『サイレンと犀』も同じく、アマゾンで読むことができました。
学生の方はもっとお得な