飯田彩乃歌集『リヴァーサイド』朝日「短歌時評」大辻隆弘  

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飯田彩乃歌集『リヴァーサイド』朝日「短歌時評」大辻隆弘

2018年12月16日

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朝日新聞の「短歌時評」より飯田彩乃さんの第一歌集のご案内です。

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飯田彩乃歌集『リヴァーサイド』

大辻隆弘さんの挙げているのは

腕は錨 ベッドの縁に垂らしては眠りの岸をたゆたっている

黄金の鍵と思ひてゐたり床に落ちしパンの留め具を手に取るまでを

大辻さんの解説は

ベッドから垂らした腕に錨を、パン袋の金具に鍵を想像する。これらには想像力によって「今ここ」という現実から悲傷しようとする姿勢シンガ横溢している。

また、大辻さんは、同じ世代の30歳前後の女性歌人らの中に、「自分の内心」を担保しようとする切実な詩精神という、共通する傾向を見出しています。

彼女たちの歌には「自分の内心」を担保しようとする切実な詩精神が満ち満ちている

さらに、飯田彩乃さんの作品には、それとは違った面を指摘します。

「現実の生に立脚した生動感」と名付けられるところです。

さうかさうか私は獣だったのだ月夜をこんなに愉しく駆けて

飛ぶ鳥の影を自転車で轢きしのち見上げる空の比類なきあを

飯田彩乃さんの歌の主題の一つに「生きづらさ」を大辻さんは見ているようです。

それを克服するための有効な方途が、「現実の生にある表現されるべき沃野を肯定し歌い上げること」とのご指摘です。

「生きづらさ」を詠まれる現代の歌人としては、萩原慎一郎さんと虫武一俊さんの短歌が良く取り上げられます。

併せて鑑賞してみてください。

 

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