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長塚節の伝記小説「白き瓶」藤沢周平

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「土」を書いた長塚節(ながつかたかし)は歌人だった。
その伝記を小説として藤沢周平が書いた「白き瓶(かめ)」という本があると知って注文してみた。

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藤沢周平は時代小説家で、テレビで映画を見たことがある程度なのだが、新聞に娘さんの遠藤展子さんが書いた本のエピソードがある。

ママハハと「普通が一番」

展子(のぶこ)さんは生まれて間もなくお母さんを亡くされ、五歳で新しいお母さんを迎えた。

幼稚園の頃のある日、近所のおばさんに「ママハハだから大変だね」と言われた。帰ってお母さんに「ママハハってなあに?」と訊いたらお母さんは答えた。

「ママハハっていうのはね、ママと母と両方だから、普通のママより二倍すごいママなのよ」

 藤沢周平は「普通が一番」と、生涯言っていたという。

藤沢周平の前半生

藤沢氏は農村に生まれ、若い頃結核にかかり、俳句の経験がある。職が定まらなかったあと、純文学から後に時代小説に転向。結核は回復するも、一子を得て二十八歳の妻と死別。

たいへんな半生だったと思う。むしろ、藤沢氏自身について思いを馳せたくなるような小説だった。

手を当てて鐘はたふとき冷たさに爪叩き聴く其のかそけきを 長塚節

藤沢周平の常のファンからすると、「白き瓶 小説 長塚節」は読み通すのがたいへんであるらしい。登場人物のほとんどが歌人、歌の引用や歌論のエピソードが多いためと思う。

短歌に興味がある人にとっては、既知の人物がどう書かれているか、その点が存外おもしろい。
 
本のタイトルは

白埴(しらはに)の瓶(かめ)こそよけれ霧ながら朝はつめたき水くみにけり

長塚節の歌の代表作と言われる「鍼の如く」の中の一首よりとられた。
小説「土」の作者でもある家人長塚節の作品を年代順に追います。

このシリーズを最初から読む。

■長塚節の短歌と生涯 第1回目
根岸庵 ゆく春~長塚節初期の短歌







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