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「相知無遠近 万里尚為隣」の意味 中国から支援物資に詩「雨ニモマケズ」も

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「相知無遠近 万里尚為隣」の意味は『相知に遠近なく、万里なお隣たり』。

中国から滋賀県に2万枚のマスク他の支援物資が届けられました。

その輸送箱に記されていたのが上の言葉、中国の漢詩、唐詩の一節です。「相知無遠近 万里尚為隣」について詳しくお知らせします。

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滋賀県が中国湖南省へ手袋1万枚


上の唐詩が送られるまでのいきさつはどのようなものだったのでしょうか。

先月21日のこと、滋賀県が新型コロナウイルス対策の支援物資として、中国・湖南省に医療用手袋1万枚を贈りました。

湖南省と滋賀県は以前から、友好協定を結んでいたためです。

手袋入りの段ボールは、関西国際空港経由で夜には湖南省の省都・長沙市に到着し、市内の病院に届けられたといいます。

湖南省からお礼のマスク

すると、3月の12日には、今度は、湖南省から滋賀県へ、お礼としてマスク他の医療用物資が届けられました。

その箱には、宮沢賢治の詩と「相知無遠近 万里尚為隣」が記されていました。

以前お伝えした、日本が中国への 支援物資の箱に書き記した「山川異域 風月同天」に対する返礼とみられています。

「相知無遠近 万里尚為隣」の意味と出典

それでは、今度の「相知無遠近 万里尚為隣」とはどういうものなのでしょうか。

「相知無遠近 万里尚為隣」の意味

「相知無遠近 万里尚為隣」の意味は

親友に遠近は関係ない、万里離れていてもなお隣にいる

日本と中国の距離をもってしても、心の近さ、親愛の情を表したものだと思います。

漢文風に書き下し文にしたものは、

相知に遠近なく、万里なお隣たり

となるようです。

「相知無遠近 万里尚為隣」の中国語の読み

中国語の読みについては、私は中国語はわからないのですが、

xiang(1) zhi(1)wu(2)yuan(3)jin(4)
wan(4)li(3)shang(4)wei(2)lin(2)

というようになるそうです。

読みはおおむね、ローマ字に置き換えることができると思われます。

番号は、中国語のイントネーションを示す「四声」というものです。(というのは、私程度でも習いました)

「相知無遠近 万里尚為隣」の出典

「相知無遠近 万里尚為隣」は、中国唐代の詩人、張九齢(ちょう・きゅうれい)の詩「送韋城李少府」の一節であるそうです。

「山川異域 風月同天」への返信

この詩は先に述べたように、日本から中国向けの支援物資の箱に書かれた、「山川異域 風月同天」への返信です。

「山川異域」の方の訳文は

訳文: 中国と日本には同じ山川はない。しかしながら風も月も同じものだ。まことにこれ仏法興隆に、有縁の国なり

というもので、やはり、「中国と日本」の「有縁」、和語でいうところの「縁 えにし」について述べるものです。

 

「雨ニモマケズ」宮沢賢治の詩

箱には、もう一つ、日本語で宮沢賢治の詩の冒頭部分、「雨ニモマケズ 風ニモマケズ」が記されました。

宮沢賢治の有名な詩ですが、この詩の最初の部分だけを挙げると

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋(注:いか)ラズ
イツモシヅカニワラツテイル

意味は、「雨にも風にも、雪や暑さにも負けないで、丈夫な体で欲を持たず、怒らず笑っている・・・」というように宮沢賢治の、ある種の理想を描いたものです。

この詩の最後は、「ホメラレモセズ/クニモサレズ/サウイフモノニ/ワタシハナリタイ」 すなわち、「そういう者に、私はなりたい」と終わります。

この詩の冒頭部分、「雨ニモマケズ/風ニモマケズ」は、コロナウイルスの影響による様々な困難にうち勝とうとする中国の呼びかけを、われ我日本人が親しむ、宮沢賢治の詩の”声”をもって告げるものです。

「あなたの国の宮沢賢治さんが言っているように、共に頑張りましょう」

という中国の送り主からのメッセージです。

箱の中身はマスクなど3万6千点

滋賀県に医療用の物資を送ってきたのは、中国の複合企業、復星集団というところ。

その中身は、全部で3万6千点、高性能マスク3千枚と医療用ゴーグル3千個、防水防護服3千着、靴カバー2千組、医療用サージカルマスク2万枚、医療用手袋5千枚というものです。

これらの医療用物資はは全て同社がこのほど米国やフランス、イスラエルなどから調達したものだということです。

中国本土の各地にも送ったのでしょうが、日本にも取り分けておくってくださったのですね。

届いたこれらの物は、東京や北海道など新型コロナウイルスの感染患者の多い地域に送られるそうです。

終わりに

医療用物資は、今は両国にとって最も大切な必要とされるものです。

それを送ってくれるということは、それだけでも心のこもった贈り物であるわけですが、さらにその心を文字で示すために詩を添えるというのは、美しい営みです。

両国の心の交流をこれからも大事にしていきたいと思わされる、素敵なエピソードはこれらの詩と共に記憶に刻まれることでしょう。







tankakanren

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