半夏生の短歌  

広告 斎藤茂吉

半夏生の短歌

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半夏生の日には、タコを食べるとよいとされています。

今日の日めくり短歌は、蛸の詠まれた斎藤茂吉の短歌を2首ご紹介します。

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半夏生とは

半夏生とは何かというと、半夏(はんげ)という薬草が生える頃というのが、その意味です。

半夏生の日は、正確には天球上の黄経100度の点を太陽が通過する日とされ、年によって、7月1日、または7月2日にあたります。

そして、この頃までには田植えを終えるのが良いとされ、その稲がよく根付くようにと、足のたくさんある蛸を食べるのが習わしとなっています。

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そこで、今日は半夏生にちなむ短歌をご紹介します。

章魚(すだこ)などよく噛みて食ひ終へしころ降りみだれくる海のうへの雨

歌集『霜』にある斎藤茂吉の短歌、これは、房総半島の野島崎への旅行の際、宿で出てきたメニューに蛸があったということです。

この時は、茂吉は、この地の海を中心に14首を詠んでいますが、いずれも秀歌と言えるのですが、塚本邦雄はこの歌を「抜群におもしろい」として、解説の本「茂吉秀歌」に取り上げています。

もう一首、歌集「たかはら」から。

章魚(たこ)の足を煮てひさぎをるみせありて玉の井町にこころは和(な)ぎぬ

玉の井町は名古屋の街。

縁日の出店のようなところでしょうか。茹で蛸、またはおでんの蛸のようなものが売っていて、茂吉がめずらし気に覗きながら歩いていた様子がうかがえます。

半夏生には、蛸ばかりではなくて鯖を食べるなど、地域によっても差があるようです。

寂しさに海を覗けばあはれあはれ章魚(たこ)逃げてゆく真昼の光

北原白秋の有名な蛸の短歌。

※解説記事は
寂しさに海を覗けばあはれあはれ章魚(たこ)逃げてゆく真昼の光 北原白秋

他にも半夏生には、うどんを食べる風習もあります。

皆さまの地域では何を召し上がるのでしょうか。

半夏生の短歌

半夏生そのものを詠んだ短歌は下の歌がおすすめです。

田植過ぎてなほさみだるれ隣国の半夏の市へ牛のぼるころ

作者:中村憲吉 『軽雷集』

半夏生早や近からし桐の葉に今朝ひびく雨を二階にて聴く

作者:北原白秋 『白南風』

半夏生を過ぎると梅雨明けとなります。

他に根が「半夏生」または「半夏」と呼ばれるカラスビシャクという植物もあります。

「半夏」はその通り、夏の半分を表す言葉で、その頃にカラスビシャクの花が咲くのですね。

それではまた!

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