在原業平の「かきつばた」の文字を詠み込んだ和歌が、朝のニュース番組で紹介されました。
伊勢物語と古今集の、「から衣きつつなれにしつましあればはるばる来ぬるたびをしぞ思ふ」の歌。
きょうの日めくり短歌は、在原業平の和歌をご紹介します。
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から衣きつつなれにしつましあればはるばる来ぬるたびをしぞ思ふ
作者は在原業平。出典は「古今和歌集」と「伊勢物語」
在原業平は、歌も上手な人ながら、“希代のプレイボーイ”として伝説的な人物ですね。
「伊勢物語」の主人公は在原業平がモデルと言われています。
この歌の詳しい解説は
から衣きつつなれにしつましあればはるばる来ぬるたびをしぞ思ふ 在原業平
「かきつばた」の和歌
きょうのことば検定の問題は「かきつばた」の名前の由来は?というもの。
それにちなむ在原業平の和歌が紹介されました。
一体どこが「かきつばた」なのかというと
から衣
きつつなれにし
つましあれば
はるばる来ぬる
たびをしぞ思ふ
のそれぞれの句の頭文字を取ると「かきつばた」になるというものです。
この時代では「折句」と言われる方法で、今の言い方では「縦読み」といわれるものですね。
一首の意味
一首の意味は
唐衣を着なれるように、なれ親しんだ妻が都にいるので、はるかここまでやって来た旅のつらさを身にしみて感じることだ
というもの。
かきつばたが愛知県の県花に
なぜ「かきつばた」が詠み込まれているのかというと、作者が旅の途中、三河の八橋という所で、八橋を流れる沢のほとりにかきつばたが美しく咲いていたのを見て、かきつばたという5文字を詠み込んで作ったというものです。
かきつばたは愛知県の県花なのですが、上の三河国八橋というのが、現在の知立市八橋であって、在原業平の歌に由来して制定されたそうですよ。
それではまた明日!
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