短歌・和歌

親といへば我ひとりなり茂二郎生きをるわれを悲しませ居よ【日めくり短歌】

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親といへば我ひとりなり茂二郎 生きをるわれを悲しませ居よ 窪田空穂作。

今年も終戦記念日が近づいています。

きょうの日めくり短歌は、窪田空穂の戦死した次男を詠う作品をご紹介します。

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親といへば我ひとりなり茂二郎 生きをるわれを悲しませ居よ

作者は窪田空穂。出典は歌集「冬木原」

作者窪田空穂は、シベリアに抑留された次男、茂二郎が戦死したという知らせを受けます。

その悲嘆の気持ちを現したのが上の歌です。

妻を亡くした窪田空穂

なぜ「親」が「我ひとり」なのかというと、窪田空穂は、妻を早くに亡くしています。

妻を亡くした空穂の分ちあうことのない悲しみ、そして、息子から見ても、たったひとりの親であることが、より悲しみを深めているのです。

そして、亡くなった二人と対比して、「生きをるわれ」という言葉があります。

亡くなった人には悲しみもない。生きている私だけが悲しいのだが、それはやはり、息子への親としての愛情ゆえの悲しみである。

息子を思う時には、永遠の悲しみが途切れることはない。なので、「悲しませ居よ」と息子にその気持ちを呼び掛けています。

亡くなったとしても、親子の絆は切れることもない、それゆえの悲しみです。

そしてさらに、

この露地の東の果ての曲りかど茂二郎生きてあらはれ来ぬか

と息子の面影を歌の中に追うのです。

子を戦地に送った親たち

当時、子どもを戦地に送って亡くした人は、どれだけいたのでしょうか。

それらの人にとっては、「終戦」といっても悲しみが終わるわけではなかったでしょう。

毎年めぐってくる終戦記念日も、どんなにか悲しい日であったことが思われるのです。

明日は、終戦記念日。戦争の短歌を静かに鑑賞しましょう。

それではまた明日!

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