岡田独甫さんは朝日歌壇の常連の投稿者でしたが、5月にお亡くなりになったそうです。
今日の朝日川柳の投稿の川柳によって知りました。岡田さんの安否を尋ねる作品も多数投稿されているそうです。
岡田独甫さんの短歌を振り返ります。
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岡田独甫さん亡くなる 朝日歌壇投稿者
岡田独甫さんは朝日歌壇の常連の投稿者でしたが、残念ながら5月1日にお亡くなりになったそうです。
日曜日の朝日歌壇で選者の永田和宏氏が「評」でコメントしました。
私は、たまたま日曜日の朝日新聞欄の記載を見落としたのですが、その後、偶然にも今日の朝日川柳の欄に記載を目にして知るところとなりました。
これまでの朝日歌壇の記事一覧は下から
コロナの短歌
朝日歌壇については下の記事
朝日歌壇とは何か知りたい方へ 各新聞短歌投稿方法と宛先まとめ
10月6日の朝日川柳に作品
10月6日の朝日川柳の欄、川柳の方は、歌壇と違って毎日更新されるのですが、そこに下のような投稿作品がありました。
歌壇にて住職の死を知る朝(あした)
埼玉県 磯貝満智
朝日新聞で、歌壇と言えば朝日歌壇のこと、そして、朝日歌壇で住職と言えば、常連の投稿者さんである岡田独甫さんのことだと、すぐにわかりました。
岡田さんの安否を尋ねる短歌
日曜日の朝日歌壇の方を見てみると、下のような投稿歌が。
闘病の歌詠む住持の名を長く見ぬまま虫の鳴くころとなる
(観音寺市)篠原俊則
こちらの投稿者も朝日歌壇の常連さんと言える方で、それだけに長く、朝日歌壇に投稿をしてきた人同士、長年作品を詠み合ってきたことがうかがえます。
この作品のコメントに選者の永田和宏さんが、岡田さんのご逝去の報を伝えられました。
岡田独甫さんの短歌
岡田独甫さんは、広島県三原市在住のご住職。
これまで、お寺の風景や、自らの老いなど、いつもユーモアが感じられる作品を投稿されていました。
最近は闘病の歌を交えて、体調が気遣われていました。
岡田さんの2018年頃からのこれまでの作品を振り返ります。
我が寺の禁葷酒(くんしゅ)の碑はいつからか沓脱(くつぬ)ぎ石に使われている
住職をわれに譲りて口出しをせざりし父にも不満ありけむ
自らの勤めるお寺の歌。
最近のコロナが題材の歌も
流行せるコロナウイルス警戒し亡父の年忌に長子のみ来る
コロナ禍で読経後すぐに若和尚マスクを着けて客に茶を出す
息子さんとの関わりを詠んだ作品は、いずれも心の温まるものでした。
残業せし子のかく鼾(いびき)聞きながら早起きのわれは味噌汁すする
四十一になりて独り身なる嗣子に非婚晩婚のデメリット説く
息子さんは独身ゆえに、岡田さんの身辺にも気を配っておられたようです
敬老の日の朝庫裡(くり)に来てみれば子がわが席に銘酒を置けり
かかりたる無言電話に父さんが倒れたのではと子が離れに来
住職らしく、地域や、檀家の人との交流もありました。
父上はお元気ですかと訊(き)かれたと息子の言うを聞けばうれしき
若いのに杖が要るのかと言われたり七十五の吾が米寿の爺に
社会詠に題材をとって、ご自身に引き付けて詠ったものも多くありました。
スケールはゴーンに比して微々たれど我が心にも強欲存す
餅つきに見える時代と世代の変化
父は杵で我は電動で正月の餅をつきしが子は店で買う
そして晩年の闘病の歌
がん細胞骨転移して知らぬ間にわが身のうちで陣地を広げる
来年も生きてるだろうと夏パジャマ夏の終わりに半額で買う
選者の永田和宏さんのコメントの「案ずる歌が多く見られます」という通り、他の投稿歌にも岡田さんを詠んだ歌が寄せられているそうです。
岡田さんの歌がみられないのはさびしくなりますが、投稿者の歌人同士の交流には慰められますね。
皆さんもどうぞ朝日歌壇に投稿してみてください。