鉄腕アトムの誕生日は4月7日、手塚治虫さん(2月9日忌日)の漫画の主人公です。
鉄腕アトムは昭和に育った子どもたちの人気キャラクターであるため、昭和生まれの歌人が短歌にアトムを詠んだものがあります。
きょうの日めくり短歌は、鉄腕アトムの短歌をご紹介します。
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鉄腕アトムとは
鉄腕アトムは、昭和を代表するキャラクターのひとつ。漫画家手塚治虫さんの生み出したヒーローです。
アトムの「誕生日」は、2003年4月7日とされています。
光文社発行の月刊雑誌「少年」で連載が始まったのは1952年4月7日でした。
原作の中ではその半世紀後にアトムが誕生する設定となっていました。
現在でも、新宿区の未来特使として”健在”です。
鉄腕アトムの短歌
鉄腕アトムは、昭和生まれの歌人の短歌にも度々登場しています。
全員がアトムとウランの髪型の入学式よ光るはなびら
作者:穂村弘
昭和生まれの穂村弘さんの作品。
ウランは、アトムの妹ですが、二人とも独特の髪型をしています。
現代の画一性への批判を読み取る人もいますが、どうでしょうか。
シャンプーの髪をアトムにする弟 十万馬力で宿題は明日
作者:笹公人
こちらもアトムの独特の髪型にポイントがあります。
洗髪中に泡を使ってアトムを真似てみたのですね。
「十万馬力」はアトムのキャッチフレーズです。
「宿題は明日」は先延ばしにしてしまったということのようですが、やんちゃすぎて勉強は後回しにする弟の姿が浮かびますね。
ロボットもことばを持たば苦しまむ虹の下ゆく鉄腕アトム
作者:坂井修一
アトムは鉄でできたロボットですが、人と同じように会話もできます。
言葉を得たとたんに、ロボットも思考を巡らすようになり、対人的なコミュニケーションもできるようになります。
知恵がついたための苦しみというのは、今の作者のあり方、感じ方に通じるものなのでしょう。
ちなみに、作者の坂井さんは、情報理工学の学者の方。
いわゆる理系の歌人という括りで語られることも多く、知的な抒情を感じさせる作風です。
コンピュータ猿のおもちやになりはてし悪夢ありわれはなかなか覚めぬ
インターネットの世にのこされて不思議あり「虱をははせると北へ向く」
もの言はず満山紅葉なだれゆけここ明暗の〈暗〉のはじまり
神あらぬ鬼あらぬ世をながれきてさくらはしづむ不忍池
雨にあぶれ駅に屯し酔う人ら手塚治虫の死をば悲しむ
作者:廣橋ノブさん
朝日歌壇より、手塚治虫さんの訃報を受けて詠まれた歌です。昭和の人気漫画家であり、アトムはその最初のアニメであったのですね。
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