沖縄の短歌 明仁天皇・恩納ナビ・佐藤モニカ・平成万葉集より【日めくり短歌】  

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沖縄の短歌 明仁天皇・恩納ナビ・佐藤モニカ・平成万葉集より【日めくり短歌】

2021年4月4日

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沖縄の短歌、きょう沖縄県誕生の日の日めくり短歌は、沖縄県の歌人の短歌、それと平成万葉集に放送された沖縄を詠んだ短歌をご紹介します。

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沖縄の短歌

沖縄県誕生の日、きょうの日めくり短歌は、沖縄由来の歌を紹介します。

明仁天皇の沖縄の御歌

ふさかいゆる木草(きくさ)めぐる戦(いくさ)跡(あと)くり返し返し思ひかけて

花よおしやげゆん人知らぬ魂戦(いくさ)ないらぬ世よ肝に願いて

明仁天皇の初訪沖の時の琉歌です

かつての戦地に思いを馳せ、戦没者の魂に花をささげ、平和を祈るお気持ちを、沖縄の言葉を交えて詠まれています。

 

恩納ナビの琉歌

波の声もとまれ 風の声もとまれ 首里天がなし 美御機拝ま

まずは、沖縄の歌人として有名なのが、恩納ナビという女性の歌人です。

上は1700年頃の歌とされています。

意味は「波の音も静まれ  風の音も静かになれ  国王様のお顔をみんなで拝みましょう」というもの、

形式は琉歌といわれるもので、沖縄独特の字数と韻律を持つ歌です。

恩納ナビを詠んだ歌

うつる世に移らざるものナビイの歌ふしおもしろううたふを聞けば

作者: 佐佐木信綱 『秋の声』

佐佐木信綱は、実際詠われた恩納ナビの歌を聞いて上のように読んでいます。

 

沖縄の歌人佐藤モニカさんの作品

沖縄出身の歌人、佐藤モニカさんの作品は、素晴らしいものがたくさんありますが、その中から沖縄に関連した短歌を上げます。

まだ読めぬ東恩納といふ名前遭遇するたび夫をつつく

痛みを分かち合ひたし合へず合へざれば錫色の月浮かぶ沖縄

黒猫にヤマトと名付け呼ぶ度にわれの本土が振り向きゐるか

パインカッターぎゆうつと回す昼下がり驚くほどに空近くあり

沖縄県の名護市に移り住んで間もない頃の歌です。

現代的で美しい歌が多い他の作品もぜひ読んでいただきたいです。

 

平成万葉集より沖縄の歌

以下は平成万葉集より沖縄の歌です。作者の敬称は約させていただきます。

右腕に沖縄人と掘りてあるジョンと知り合う週末のバー
作者:沖縄県 屋良健一郎

墜落のニュースをききて今日も又狂わんほどに空ばかり見る
作者:沖縄県 玉城寛子

タクシーの運転手が急に嗚咽する沖縄戦を語りいるうち
作者:沖縄県 永吉京子

シュガーローフの丘にはビルが建ち並ぶ傷あとおほふかさぶたのごとく
作者:沖縄県 知花くらら

(※シュガーローフ 爆撃で現れた石灰岩の白い土地のこと。米兵が「シュガーローフ」《砂糖をまぶしたパンの意》と呼んだ)

海の神の望まぬ勤めをフロートは辺野古の海の泪と浮かぶ
作者:沖縄県 仲本恵子

(※フロート 立ち入り制限区域を示す浮具)

 

大城永信さんの短歌

以下は、沖縄県にお住いの大城永信さんの歌。これらの作品も平成万葉集で取り上げられました。

年明けも何かと忙し車の列空にオスプレイ我は甘蔗(きび)刈る

我もまた小さな島の曲がり人青白き天の月の影追う

愛々(かながな)と甘蔗(きび)を育てて生きたかり戦なき御世の平成終る

戦争で大きな犠牲を出した沖縄県、平和のありがたさも思われます。

きょうの日めくり短歌は、沖縄県誕生の日にちなみ、沖縄県由来の短歌をご紹介しました。

 

・日めくり短歌一覧はこちらから→日めくり短歌

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