教科書の短歌

運転手一人の判断でバスは今追い越し車線に入りて行くなり 奥村晃作

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運転手一人の判断でバスは今追い越し車線に入りて行くなり 奥村晃作の教科書掲載の有名な短歌代表作品の訳と句切れ、文法や表現技法について解説、鑑賞します。

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運転手一人の判断でバスは今追い越し車線に入りて行くなり

読み:うんてんしゅ ひとりのはんだんで ばすはいま おいこししゃせんに いりていくなり

現代語訳

バスを運転する運転手一人の判断で バスが今追い越し車線に入っていったよ

作者と出典

奥村晃作

語と文法

追い越し車線とは、一つの道路に車が並んで走る、2つまたは、3つなどの複数のの車線のうち、一番左側は通常の車線で、それよりも右側の車線を指す。

「入りて行くなり」の品詞分解

・動詞の基本形は「入る」。「て」接続助詞で「入りて行く」

・意味は「入っていく」

・「なり」は文語の断定の助動詞

句切れと表現技法

・句切れなし

・2句 4句字余り

 

解説

現代の歌人、奥村晃作の日常の場面における気づきの歌。

奥村晃作は、独自の歌のジャンル「ただごと歌」を提唱した。

「追い越し車線」とは

追い越し車線というのは、通常一番右側の車線のことで、速度は他の車線の中で最も早く、左側の車を越えて走ることができる。

速度を保つために、追い越し車線を走ることもあるが、左側の速度の遅い車を追い抜かすために、追い越し車線に入ることが多い。

多くは追い越しを行った後、また左側の車線に戻ることが多いが、このような車線移動は注意力を要するもので、危険性が増すこともある。

バスと追い越し車線

バスのような公共車は安全を保つため、一定速度で走ることが義務付けられている。

追い越し車線に入ったからといって違法ではないが、作者はそれを珍しいとみたのだろう。

推測だが、この場合は、前の車を追い越すためではなく追い越し車線に入ったとしたら、運転手には速度をあげて走行する意図があったことになる。

この歌の主題と意味

この歌のポイントは「運転手一人の判断で」にある。

バスに乗っている主体は乗客で、走り方や進路には乗客の意図が最優先されるはずだという前提を作者は感じている。

その前提に反するかどうかはともかく、追い越し車線に入る、車線を変えるという、必ずしも乗客の意図が反映するかどうかわからない、それとは別の運転手の意図を感じたことでこの歌が詠まれた。

乗客と一体であるはずの運転手が、予想しなかった行為に出たことに、作者の驚きと若干の不安がある。

作者はただその出来事を詠んだだけで、それ以上は表していないが、些末な出来事をとらえた作者の心の敏感さには驚かされる。







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