花さそふ比良の山風吹きにけり漕ぎ行く舟の跡見ゆるまで 宮内卿  

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花さそふ比良の山風吹きにけり漕ぎ行く舟の跡見ゆるまで 宮内卿

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花さそふ比良の山風吹きにけり漕ぎ行く舟の跡見ゆるまで 宮内卿の新古今集の和歌の現代語訳と解説・鑑賞を記します。

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花さそふ比良の山風吹きにけり漕ぎ行く舟の跡見ゆるまでの解説

読み:はなさそう あらしのにわの ゆきならで ふりゆくものは わがみなりけり

作者と出典

宮内卿

新古今和歌集 春下・128

現代語訳

桜の花が散るのを誘うように比良の山から風が吹いたことよ。漕いでゆく舟の航跡が見えるほどまでに琵琶湖一面に花びらを散らして

句切れと修辞

  • 本歌取りの歌
  • 倒置
  • 三句切れ

語句

  • 比良・・・琵琶湖西側に連なる山並み
  • 湖・・・琵琶湖を指す
  • 吹きにけりの品詞分解
  • 吹く・・・動詞4段活用連用形
  • に…助動詞完了形「ぬ」の連体形
  • けり・・・詠嘆の助動詞終止形

解説

近江を詠んだ女流歌人宮内卿の和歌。

詞書に「五十首歌奉りし中に湖上の花を

意味:50首差し上げた中に「湖上の花」を詠んだ歌

とある。

歌の意味

嵐の跡に散ってしまった花びらが湖に一面に浮いているのを分けて舟が漕いでいくという情景をうたっている。

女性らしい感性も感じられる美しい歌となっている。

本歌取り

本歌取りとされるのは

世の中を何にたとへむ朝ぼらけ漕ぎ行く舟の跡の白波
作者:沙弥満誓 拾遺集1329

宮内卿とは

宮内卿は別名後鳥羽院宮内卿。

鎌倉時代初期の女流歌人。新三十六歌仙、女房三十六歌仙の一人。

宮内卿の他の和歌

心ある雄島の海士の袂かな月やどれとはぬれぬものから  0399
月をなほ待つらむものか村雨の晴れゆく雲の末の里人  0423
まどろまでながめよとてのすさびかな麻のさ衣月にうつ声  0479
霜を待つ籬の菊の宵の間におきまよふ色は山の端の月  0507




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