新古今和歌集の代表作品一覧 これだけは読みたい有名20首  

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新古今和歌集の代表作品一覧 これだけは読みたい有名20首

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新古今和歌集の和歌の代表的な作品を一覧にまとめます。

新古今和歌集20巻の中から読んでおきたい有名な和歌20首からご紹介していきます。

新古今和歌集の代表作品一覧

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目次

新古今和歌集、新古今集の代表的な和歌を一覧にまとめました。

新古今和歌集20巻の中から、ぜひ読んでおきたい有名な作品20首をまずご紹介していきます。

※新古今和歌集の代表的な歌人については

新古今和歌集の代表的な歌人と作品 藤原定家,寂連,西行,式子内親王

 

新古今集代表作品20首は以下の作品です。

み吉野は山も霞みて白雪のふりにし里に春はきにけり

読み:みよしのは やまもかすみて しらゆきに ふりにしさとに はるはきにけり

作者と出典

作者:藤原良経 後京極摂政前太政大臣(ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだいじん)(1169〜1206)

出典:新古今和歌集1 巻頭歌

現代語訳:

吉野は山も霞んで、少し前まで白雪の降っていた里に、春がやって来たのだなあ

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ほのぼのと春こそ空に来にけらし天の香具山霞たなびく

読み:ほのぼのと はるこそそらに きにけらし あまのかぐやま かすみたなびく

作者と出典

太上天皇(だじょうてんのう)後鳥羽院 新古今集2

現代語訳と意味

ほのぼのとまさしく春は空に来たなあ。あのように夜明けの天の香久山に霞がたなびいている

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思ひあまりそなたの空をながむれば霞を分けて春雨ぞ降る

読み: おもいあまり そなたのそらを ながむれば かすみをわけて はるさめぞふる

作者と出典

皇太后宮大夫俊成  藤原俊成(ふじわらのとしなり)

新古今集 1107

現代語訳と意味

思いが余って恋しさのあまり、あなたの居る方の空を眺めたら、霞がかった空より春雨が降っている

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春の夜の夢の浮橋とだえして峰に別るる横雲の空

読み: はるのよの ゆめのうきはし とだえして みねにわかるる よこぐものそら

作者と出典

藤原定家

新古今和歌集 巻第一 春歌上 38

現代語訳と意味

春の夜の、浮橋のようなはかなく短い夢から目が覚めたとき、山の峰に吹き付けられた横雲が、左右に別れて明け方の空に流れてゆくことだ

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こぬ人をまつほの浦の夕なぎに焼くやもしほの身もこがれつつ

作者:権中納言定家 (藤原定家)

出典:百人一首97番

現代語訳:

松帆の浦の夕なぎの時に焼いている藻塩のように、私の身は来てはくれない人を想って、恋い焦がれているのです

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風そよぐ楢の小川の夕暮は禊(みそぎ)ぞ夏のしるしなりける

現代語での読み: かぜそよぐ ならのおがわの ゆうぐれは みそぎぞなつの しるしなりける

作者と出典

従二家隆(じゅうにいいえたか) =藤原家隆

『新勅撰集』夏・192 百人一首98

現代語訳と意味

楢の小川と呼ばれる上賀茂神社の御手洗川では、風が葉を吹きそよがせて秋の風情であるが、神社では夏の禊が行われるために、夏であることを思い出させてくれる

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風通ふ寝覚めの袖の花の香に薫る枕の春の夜の夢

読み: かぜさそう ねざめのそでの はなのかに かおるまくらの はるのよのゆめ

作者と出典

藤原俊成女(ふじわらのとしなりのむすめ)  他に「俊成(しゆんぜい)卿女」ともよばれる

新古今和歌集 112

現代語訳と意味

風が庭から吹き通ってきて、ふと目覚めた私の袖が風の運んできた桜の花に香り、枕辺には見ていた春の夜の夢の名残りがゆらめいている

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心なき身にもあはれは知られけりしぎ立つ沢の秋の夕暮れ

読み: こころなき みにもあはれは しられけり しぎたつさはの あきのゆふぐれ

作者と出典

西行法師(さいぎょうほうし)

新古今和歌集 362 他に「西行法師歌集」

現代語訳と意味

あわれなど解すべくもないわが身にも、今それはよくわかることだ。鴨の飛び立つ沢辺の秋の夕暮れ

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寂しさはその色としもなかりけり槙立つ山の秋の夕暮れ

読み: さびしさは そのいろとしも なかりけり まきたつやまの あきのゆうぐれ

作者と出典

寂蓮法師 (じゃくれんほうし)

新古今和歌集 361  「寂連法師集」

現代語訳と意味

この寂しさは特に秋めいた色も含めて、どこからというわけでもないことだ。真木の生い立つ山の秋の夕暮れよ。

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村雨の露もまだひぬまきの葉に霧立ちのぼる秋

現代語での読み: むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに きりたちのぼる あきのゆうぐれ.

作者と出典

寂蓮法師 百人一首87番 新古今集巻5

現代語訳と意味

にわか雨のあとの濡れている真木の葉に、白い霧がかかっている秋の夕暮れよ

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志賀の浦や遠ざかりゆく波間より凍りて出づる有明の月

現代語での読み: しがのうらや とおざかりゆくなみまより こおりていずる ありあけのつき

作者と出典

藤原家隆 (新古639)

現代語訳と意味

志賀の浦を遠ざかっていくと、夜が更けて沖へ遠ざかってゆく波のの間から、その波間から冷たい光を放つ夜明けの月が見える

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きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む

読み:きりぎりす なくやしもよの さむしろに ころもかたしき ひとりかもねん

作者と出典

作者:後京極摂政前太政大臣(ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだいじん)

出典:百人一首91番   新古今集 518

現代語訳:

こおろぎが鳴く霜の降りた夜の寒々とした筵の上に衣の片袖を敷いて、一人寂しく寝るのだろうか

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玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることのよわりもぞする

読み:たまのおよ たえなばたえね ながらえば しのぶることの よわりもぞする

作者と出典

式子内親王(しょくしないしんのう)

百人一首89番 新古今和歌集 1034

現代語訳と意味

わたしの命よ。絶えてしまうというなら絶えてしまっておくれ。

生きつづけていたならば、恋心を秘めている力が弱って、秘めきれなくなるかもしれないので

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花は散りその色となくながむればむなしき空に春雨ぞふる

読み:はなはちり そのいろとなく ながむれば むなしきそらに はるさめぞふる

作者と出典

式子内親王(しょくしないしんのう)

新古今集 149

現代語訳と意味

花はすっかり散りはててしまって どこということもなくてしみじみと思いをこらしてみると、何もない大空に春雨が降っている

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時鳥そのかみやまの旅枕ほの語らひし空ぞ忘れぬ

読み:ほととぎす そのかみやまの たびまくら ほのかたらいし そらぞわすれぬ

作者と出典

式子内親王 新古今集

現代語訳と意味

その昔、賀茂斎院の神館に旅寝をしていた頃、ホトトギスがかすかに鳴き出でたあの空が忘れられません

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由良のとをわたる舟人かぢをたえ行く方も知らぬ恋の道かな

現代語での読み:ゆらのとを わたるふなびと かじをたえ ゆくえもしらぬ こいのみちかな

作者と出典

曾禰好忠(そねのよしただ)

百人一首46 新古今集

現代語訳と意味

由良の海峡を漕ぎ渡っていく船人が、梶緒が切れて行く先もわからず漂うように、この先どうなるかわからない私の恋であるよ

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昔思ふ草の庵の夜の雨に涙な添へそ山ほととぎす

読み: むかしおもふ くさのいほりの よるのあめに なみだなそへそ やまほととぎす

作者と出典

藤原俊成(ふじわらのとしなり)

新古今集 夏・201

現代語訳と意味

華やかだった昔のことを思っている草庵の夜の雨に、悲しげな声を聞かせてさらに涙を加えさせないでくれ、山ほととぎすよ

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難波潟短かき蘆の蘆の節の間も逢はでこの世を過ぐしてよとや

作者:伊勢(いせ)

出典:百人一首19番 『新古今集』恋一・1049

現代語訳:

難波潟に生えている葦の節と節との短さのように、ほんの短い間でも逢わずに、一生を過ごしてしまえと、あなたは言うのでしょうか。

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風吹けば沖つ白浪たつた山夜半にや君がひとりこゆらむ

現代語での読み:かぜふけば おきつしらなみ たつたやま よわにやきみが ひとりこゆらん

作者と出典

読み人知らず

古今集18 994・「伊勢物語」第23段 「大和物語」

在原業平については
在原業平の代表作和歌5首 作風と特徴

現代語訳と意味

風が吹くと沖の白波が「立つ」と読み習わす立田山だが、それを夜中にあなたがただ一人越えているのであろうか(新たな妻のもとへと)

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木の間よりもりくる月の影みれば心づくしの秋はきにけり

読み:このまより もりくるつきの かげみれば こころづくしの あきはきにけり

作者と出典

作者:読み人知らず
出典:古今集 184

現代語訳と意味

木の枝の間から漏れてくる月の光を見ていると、悲しい思いの限りを尽くさせるその秋が来たのだなあ

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歌人別の和歌作品一覧

他にも新古今集の歌人の代表的な作品を、新古今集以外の歌集の作品を含めて記します。詳しい解説はリンク先の各ページにてご覧ください。

藤原俊成

夕されば野辺の秋風身にしみて鶉鳴くなり深草の里

世の中よ道こそなけれ思ひ入る山の奥にも鹿ぞ鳴くなる

昔思ふ草の庵の夜の雨に涙な添へそ山ほととぎす

思ひあまりそなたの空をながむれば霞を分けて春雨ぞ降る

またや見む交野のみ野の桜狩り花の雪散る春のあけぼの

誰かまた花橘に思ひ出でむ我も昔の人となりなば

藤原俊成まとめページ

藤原俊成の有名な短歌代表作一覧 「幽玄」と本歌取りの技法

「幽玄」解説

幽玄の意味を解説 古今集藤原俊成の和歌の美 例文あり

藤原定家

藤原定家はこの頃の日本を代表する歌人の一人です。

その最も有名な和歌の一つが下の作品です。

見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ 藤原定家「三夕の歌」

他に

春の夜の夢の浮橋とだえして峰に別るる横雲の空 藤原定家

木の間よりもりくる月の影見れば心づくしの秋は来にけり

駒とめて袖うちはらふかげもなし佐野のわたりの雪の夕暮れ 藤原定家

帰るさのものとや人のながむらん待つ夜ながらの有明の月 藤原定家

藤原定家の一覧

藤原定家の和歌一覧 代表作と有名な作品

 

式子内親王

かへりこぬ昔をいまと思ひねの夢の枕ににほふたちばな 式子内親王

見るままに冬は来にけり鴨のゐる入江のみぎは薄氷つつ 式子内親王

玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることのよわりもぞする 式子内親王

式子内親王の和歌一覧

式子内親王の恋の和歌代表作品 新古今和歌集と百人一首より

和泉式部 後拾遺和歌集他

和泉式部の和歌一覧 代表作と有名な作品

藤原俊成女と寂連

風通ふ寝覚めの袖の花の香に薫る枕の春の夜の夢  藤原俊成女

寂しさはその色としもなかりけり槙立つ山の秋の夕暮れ 寂蓮法師

西行法師の新古今和歌集他の作品

願はくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月のころ/西行法師

※ 西行の桜の和歌まとめ 桜に重ねる自らの生の時間

心なき身にもあはれは知られけりしぎ立つ沢の秋の夕暮れ 西行

道の辺に清水流るる柳陰しばしとてこそ立ちどまりつれ 西行法師

青葉さへ見れば心のとまるかな散りにし花の名残と思えば

 

新古今和歌集解説ページ一覧

新古今和歌集の特徴「新古今調」とは 和歌のもっとも華麗な時代

新古今和歌集の時代 古今集・万葉集との年代比較一覧

新古今和歌集の撰者は藤原定家・寂蓮他6人 代表作を紹介

作品と解説ページは今後も追加していきます。




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