今宵こむ人にはあはじ七夕のひさしきほどに待ちもこそすれ 素性法師
古今和歌集の七夕歌の代表的な和歌である、素性法師の作品の解説・鑑賞を記します。
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今宵こむ人にはあはじ七夕のひさしきほどに待ちもこそすれ
読み:こよいこん ひとにはあわじ たなばたの ひさしきほどに まちもこそすれ
作者と出典
素性法師 古今和歌集 181
素性法師は36歌仙の1人
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意味と現代語訳
今夜来るあの人には逢わないでいよう。七夕の牽牛と織姫のように、次に逢うまで一年も待つことになってしまうから
句切れと修辞
- 2句切れ
- 「こそ…すれ」の係り結び
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解説
素性法師の七夕歌として、よく知られる一首.
素性法師は男性ですが、女性の立場で歌った歌です。
「あはじ」までで、まず作者の意思を示し、その理由が、それ以下の「七夕の…」の部分に示されます。
牽牛と織姫が会えないことと同時に、相手への強い思いを示唆しています。
「七夕のひさしきほど」の「ひさし」は、時間の長さのこと。
「七夕の」がつくことで、時間にすれば1年ですが、そのように男女がなかなか会えないことを「七夕」の言葉で示します。
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